第8話

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2024/06/29 08:23
 
« 紅魔館 霊夢side »
 
レミリア
レミリア
それで?
紫の髪に紅い眼……
吸血鬼にしてこの館の主であるレミリア・スカーレットはいかにも高級そうな椅子に腰掛け、足を組みながら問いかける
レミリア
レミリア
先程の空が揺れるという異変は博麗大結界と空の間にできたナニカが揺れる、前代未聞の異変だったわけね
霊夢
霊夢
ええ、間違いないわ
レミリア
レミリア
そしてその異変による効果が、人間を炙り出すこと……
レミリア
レミリア
咲夜、今からでも遅くはないわ
そう言ってすぐ、レミリアは自らの後ろに控える従者の十六夜咲夜を振り返る
レミリア
レミリア
今すぐ私の血を飲みなさい
咲夜
咲夜
お嬢様…私は一生人間ですよ
紫
人間が炙り出される異変なんて初めてよ、今回のことを止められさえすれば心配に及ばないわ
紫
それに……
すると紫は口元にかざしていた扇を閉じ、咲夜の手元に向けた
動作がゆっくりなのよ、腹が立つわ
紫
あなたの手元からは魔理沙のような違和感を感じない
霊夢
霊夢
なら大丈夫ね
心配する必要がない確認が取れた以上、咲夜に関する話をこれ以上繰り広げる理由もない
強引に話を切りあげ、作戦を練ることをと試みる
霊夢
霊夢
もう猶予が無いわ
霊夢
霊夢
アイツは……メシアは魔理沙を幻想郷の外へ出すと言って消えた
レミリア
レミリア
待ちなさい博麗の巫女
レミリア
レミリア
私は貴方たちに協力するなんて言っていないわ
……は?
協力する気がないならどうして紅魔館を貸したわけ?
反旗を翻したレミリアは変わらず足を組んだまま、勝気な笑みを浮かべている
というか博麗の巫女である私に、異変解決に協力しない選択肢なんてないのだけれど
そんな思いを視線に込めて咲夜を見るも、視線をそらされる
咲夜
咲夜
私は従者なのよ?お嬢様の決定に従うに決まってるじゃない
レミリア
レミリア
あなたはどうしてこんなにも躍起になるの?たかが人間ひとりじゃない
そう言うレミリアの表情こそ呆れたということを全面に晒し出しているが口調はやや芝居がかっているようにも聞こえた
でもそんなこと気にする理由もない……
いいえ、気にするのよ
笑みと言い口調といい、試されている可能性も0ではないわ
全てを疑わなくちゃ、魔理沙がかかっているんだもの
霊夢
霊夢
魔理沙はたかが人間で、捨てられるようなものじゃあないわ
霊夢
霊夢
確かにアイツはひねくれてるしちょっかいばっかり
霊夢
霊夢
あんなに入り浸ってるくせに賽銭なんて払いはしない
霊夢
霊夢
でも、それでも居なくなっちゃダメなのよ
ええ、そうよ
だってアイツは……
だって魔理沙は……!
霊夢
霊夢
私の唯一無二の "友達" なんだもの





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