課題曲メンバー投票時間は長々と続かず、
今、締め切った。
練習生達はいつも通り自分の名前が書かれた椅子に腰を下ろす。
またあの長い、長い話を聞かされるのか。
正直に言うとほんとに疲れる。
初めての時はもう半分以上夢の中だった。
ただ今回は大事な集まりだ。
ファンの投票によりそれぞれメンバーが発表される。
そんな時に寝てはいられない。
なるほど。
……とりあえず発表して欲しい。
……は。
どういうこと。発表、しないの。
なぜここで。
ぱぱっと、言っちゃえばいいのに。
そう思っていると、いつの間にか大画面テレビから何らかの映像が流れ始めた。
……あれ。
これは数日前のこと。
その時に作っていたのはハンバーグ。
ミナ達に食べてもらいたくて。
3人共、笑顔で食べてて。あっという間に完食して。
ありがとうって、言われたとき。
凄く心が温かくなった。それはハンバーグの熱さと別に。
感謝されるって、こんなにも嬉しいことなんだな。
Q.練習生の中で一番だと思う人は?
この時はまさか、大画面で放送されるとも分からず。
うん、うん。私ったら。今放送されているのに。
そんな告白までしちゃって。
私の黒歴史。勝手に公開しないで。
まさか練習生皆に見られるとは思わなかったから。
あんなに静かで控えめな印象を持たれている私が、ここまでムキになって好き好き言ってたら。
みんな絶対引く。というよりか笑われる。
……もう既にサンウォニに笑われてるし。
誤解しないで。本当に、告白なんかじゃないから。
好きじゃないから。
まったく、恥ずかしい思いをした。
それから数人ほど同じような内容で紹介された。
急に発表が始まった。
が、一発目からサンウォニが呼ばれる。
きっと票数が多かったのだろう。図星にすぎない。
…待って。私の名前が呼ばれない。
もしかしてないの。
まさかの忘れられてた。
ただ呼ばれただけマシ。本当にありがとうファンの皆。
頑張るから、私。
その時、遠くから見つめられたサンウォニと目が合う。
彼は優しく微笑んでいた。
……やっぱり。
頑張る前に、一旦応急処置頼む。
今にも呼吸困難になって倒れそう。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!