前の話
一覧へ
次の話

第24話

23 (sangwon)
689
2026/01/02 08:47 更新





















【sangwon ver.】

期待、していた。
ニムに好きな人がいるという事。
ニムは正直表情に出やすい。
照れている時は特に。






初めて会った時の表情は消えていた。ただずっと遠い何かを見つめている、っていうだけで。
きっと何かあるんだろうって思って、声をかけた。
あのときは笑って誤魔化していただろう。だけどどこか寂しそうで。放っておけなくなった。
目を離した隙に消えてしまうのではと思って。
到底、デビューには程遠い。むしろデビューしたところで、本人が楽しめるかって。
でも違った。
話しかける度に少しずつ本当の笑みも浮かび上がって、今では普通に会話ができる。
ダンスは案の定自信無さげで。だけどあの 緊張ほぐし
で、一気にパッと変わった。その表情はとても可愛らしかった。パフォーマンス本番でも明るく振る舞い、誰よりも目立つほどだった。
ニムの表情に、目に焼きついた。
笑うとこんなに違うんだって。
笑う時も、顔を赤らめる時も、寝ている姿も。
可愛くてたまらなかった。でも俺は表には出さない。
デビューする目的である事を目印に、忘れたくないから。強い意志と戦おうとずっと前から思っていた。
そんな必死になってる俺は。
今、すごく落ち込んでいる。

フラれた感があって。あのとき絶対、アンシンの事を考えてたんでしょ。
だって一緒に話してたから。
…そっか、ただ俺は勘違いしてたんだ。
きっとこれは、人生で“初の失恋”だ。

プリ小説オーディオドラマ