返事をした後、ボクはとある場所に呼び出された。
その場所に集合時間ぴったりに着くと、見覚えのある人影を見つけた。
その建物の中から出てきたシャークんさんは、出てくるやいなやすぐボクのことを強く抱き締めた。
さっきの震える声と、鼻をすする音が聞こえて、少しだけボクも心が動かされた。
…ボクが呼び出された場所というのが、高級住宅地の中で、さらに示されている住所には、一際大きなオーラを放つ豪華な家が建っていた。
だからこそ、ここに来る前は少し怖かった。
でも、シャークんは優しく笑った。
そう言って、ボクの手を引っ張ってきた。
…えっ??ここがボクの家??身の丈に合わなさ過ぎて心配なんだけど…
と困惑してしまったけれど、何故このような家にしたのかを楽しそうに話すシャークんを見て、冷静になった。
シャークんに着いてきて、辿り着いた一室。
そこには、眩い光が差し込んできて、シャークんを照らしていた。
まるで、ステージのスポットライトのように。
そう言って、そっとボクの左手を取った。
…あぁ、本当にシャークんは、輝かしくふさわしい、この世のアイドルなんだな…と思われる程、ボクにはシャークんが綺麗に見えた。
ボクの目からも、涙が零れた。
指輪をそっと嵌めた後、シャークんさんはボクの手に唇を落とした。
きっと今、ボクたちが世界で一番幸せ!
スマホと睨めっこをしていると、シャークんが隣に座って来たので、話しながらもたれかかる。
…何故そんなことをしていたのかと言うと…
昨日からメッセージを送っているのに、一向に既読がつかないのだ。
いつもなら、すぐに返信が来るはずだし、昨日だって"また連絡するね!"って言ってたのに…
というわけで、色々悩んでいる。
ボクがブツブツと話していると、もたれている重心の方向に引っ張られて抱きしめられた。
そして、あっという間にシャークんの中に包み込まれるような姿勢になった。
…何だか、言いくるめられたような気がしないでもないけど…
シャークんの暖かさに包まれると、さっきまでモヤモヤとしていた感情がすーっと消えていくような感覚がする。
本当に、愛という感情は不思議なものだな、と実感してしまう。
そう言うと、シャークんはとある人が映ったスマホ画面をボクに見せてきた。
…少し引きつった笑顔してる…この人誰だっけな、うーんと…
シャークんがしばらくその画面を見つめているので、嫉妬してスマホを取り上げる。
すると、シャークんは驚いた顔をしてこちらを見つめた。
シャークんのほっぺを少しだけ引っ張るけれど、シャークんは幸せそうに笑っていた。
お互いに、遠慮の壁は無くなった。
…きっと、これからもボク達は、仲睦まじい夫婦として、永遠に過ごせるはずだろう!!
_End














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。