金曜日の仕事終わり、大吾くんと流星くんが僕のところまでやって来て、買い物に一緒に行こうと誘ってきた。
2人と一緒におると楽しい。
それは変わらへんのに不安が膨らんで影のように忍び寄る。
僕は大吾くんの機嫌を以前よりも気にするようになってしまっていた。
週末を迎えてから、異変が起こった。
僕はメンバーとしか繋がってへんSNSの裏垢で、日々の呟きを投稿しとる。
大吾くんと流星くんと買い物に行った金曜日は、すぐに【いいね】が押されたのに、土曜日は無反応やった。
僕が何を投稿しても、【いいね】は1つも押されへん。
流星くんがSNSを見ないのは珍しい。
毎日欠かさずチェックしとるはず。
土曜日の夜、SNSを覗いてみると、流星くんが裏垢で投稿していた。
【ありえへん】
たった一言。
それに大吾くんも他メンバーも【いいね】を押してる。
流星くんが怒るようなことがあったのかと、妙な胸騒ぎがした。
誰に向けた言葉なんかが気になる。
大吾くんが同調しとるということは、大吾くんではないはずや。
僕も特に流星くんになにかをした覚えがない。
最近のことで思い浮かぶのは、恭平とのことくらいや。
やけど恭平は土日仕事がオフやったからなにかあったとは考え難い。
【流星くん、なにかありました?】
すぐにメッセージを送ってみたものの、翌日の月曜日になっても返事はこおへんかった。
月曜日、楽屋に行くと、メンバー達の視線が一気に僕の方へと向く。
それは居心地の悪さを感じるほど鋭くて、睨みつけられとるように感じた。
その中には恭平もおった。
最近は目が合うこともなかったのに、じっとこっちを見ていた。
一体なにが起こっとるんか状況がのみ込めず、僕は自分の席へと足を進めていく。
席の近くに大吾くんと流星くんが立っていた。
僕は軽く手を振った。
メンバー皆が僕よりも前に揃うんは珍しい。
すると、大吾くんは挨拶を返すことなく、スマホの画面を僕に突きつけるようにして見せてきた。
機嫌が悪そうな2人に困惑しながら画面を覗く。
そこにはSNSの画面が映っとって、【S】というユーザーネームの投稿が羅列されとった。
ぐっと眉を寄せて顔を顰める。
全く身に覚えのないアカウントやった。
大吾くんが人差し指で画面をスクロールしながら、投稿を見せてきた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。