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第43話

見回り中&稽古
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2025/10/05 17:09 更新
雪風榛香
雪風榛香
はぁ…鬼殺隊の隊士達は全く来ないな…
 



多分、原因は柱稽古が厳しいんだろうなぁ…
と、その時。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
ごめんくださーい!
雪風榛香
雪風榛香
……あれ? 炭治郎?
竈門炭治郎
竈門炭治郎
冨岡さーん!ごめんくださーい!
雪風榛香
雪風榛香
あれ?炭治郎?
富岡さんに何か用?
目とあった炭治郎は榛香に向き合う。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
榛香さん!太陽の日に浴びて大丈夫ですか!?
雪風榛香
雪風榛香
…だいじょーぶ。
これでも、柱だよ。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
そ、そうですか…(榛香さんって何者?)
雪風榛香
雪風榛香
鎹鴉からお館様に言われたの?
タッタッタッ…
竈門炭治郎
竈門炭治郎
は、はい!
雪風榛香
雪風榛香
「まあ、言いたい事は言いたいね。」
竈門炭治郎
竈門炭治郎
こんにちは、すみませーん、義勇さーん、俺ですー竈門炭治郎ですー!
雪風榛香
雪風榛香
私ですー!雪風榛香ですー!
私も、炭治郎みたいな事は言えないけど…
竈門炭治郎
竈門炭治郎
こんにちはー!じゃあ入りますね
富岡義勇
富岡義勇
「(入ります?いや…帰りますだな。聞き間違いだ)」
雪風榛香
雪風榛香
ど、どうも…富岡さん…
富岡義勇
富岡義勇
「(…何故、榛香が此処に居る?)」
そして…水屋敷にて…
竈門炭治郎
竈門炭治郎
ていう感じでみんな稽古してるんですけど
富岡義勇
富岡義勇
知ってる (近い)
雪風榛香
雪風榛香
「(し、知ってるけど…き、気不味い…。)」
竈門炭治郎
竈門炭治郎
あ!知ってたんですね。良かった。俺あと七日で復帰許可が出るから稽古つけてもらっていいですか?
炭治郎は絶賛骨折中だけど…
竈門炭治郎
竈門炭治郎
どうしてですか?クンクン、じんわり怒っている匂いがするんですけど何に怒ってるんですか?
富岡義勇
富岡義勇
お前が水の呼吸を極めなかったことを怒ってる。お前は水柱にならなければならなかった
竈門炭治郎
竈門炭治郎
それは申し訳なかったです。でも鱗滝さんとも話したんですけど、榛香さんの使っている呼吸を変えたり新しい呼吸を派生させるのは珍しいことじゃないそうなので、特に水の呼吸は技が基礎に沿ったものだから派生した呼吸も多いって
富岡義勇
富岡義勇
そんな事を言ってるんじゃない。水柱が不在の今、一刻も早く誰かが水柱にならなければならない
…師範が富岡さんが水柱不在な訳が無い。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
水柱が不在?義勇さんがいるじゃないですか?
富岡義勇
富岡義勇
俺は水柱じゃない。帰れ
雪風榛香
雪風榛香
あっ!富岡さん!
タッタッタッ!
お館様
お館様
『炭治郎、怪我の具合はどうだい?情けないことに私は動けなくなってしまってね、義勇と話がしたいんだけどもうできそうにない

榛香にはもうそう伝えてあるけど、榛香は特に義勇には優しくする子なんだ。』
竈門炭治郎
竈門炭治郎
「…榛香さんはこの事知っているのかな…?」
お館様
お館様
『今はとても大事な時だから皆で一丸となって頑張りたいと思っているんだ。義勇と話をしてやってくれないだろうか。どうしても独りで後ろを向いてしまう義勇が前を向けるよう、榛香と一緒に根気強く話をしてやってくれないか』
竈門炭治郎
竈門炭治郎
はい!
炭治郎は冨岡さんに引っ付いていた。
昼でも夜でもお構いなし。隙さえあれば話しかけ、ついていく。

竈門炭治郎
竈門炭治郎
義勇さんどうしましたか、義勇さんどうしましたか!
雪風榛香
雪風榛香
「…根気強くって言いましたけど…私、炭治郎タイプじゃないです。」
最初は鬱陶しそうにしていた冨岡さんも、炭治郎の根気には敵わなかったのか──ついに、ぽつりと口を開いた。
富岡義勇
富岡義勇
俺は最終戦別を突破してない
その声音はどこか遠くて、冷たくて、でも、少しだけ震えていた。
雪風榛香
雪風榛香
…えっ?
師範…いや、富岡さんが最終選別を突破していない?
竈門炭治郎
竈門炭治郎
えっ?最終戦別って藤の花の山のですか?

富岡さんは自分の最終選別のことを話し始めた。
生き残ったのに、生き残ってしまったと感じたこと。
富岡義勇
富岡義勇
そうだ。おの年に俺は俺と同じく鬼に身内を殺された少年…錆兎という宍色の髪の少年と共に選別を受けた
雪風榛香
雪風榛香
「錆兎って…私に呼吸を教えてくれた…」
師範の…同い年?
富岡義勇
富岡義勇
十三歳だった。同い年で天涯孤独すぐに仲良くなった。錆兎は正義感が強く心の優しい少年だった
雪風榛香
雪風榛香
錆兎って…そう言えば…師範の羽織と似ていたような…?
富岡義勇
富岡義勇
あの年の選別で死んだのは錆兎一人だけだ。彼があの山の鬼を殆ど一人で倒してしまったんだ。錆兎以外の全員が選別に受かった。俺は最初に襲いかかって来た鬼に怪我を負わされて朦朧としていた。その時も錆兎が助けてくれた。

錆兎は俺を別の少年に預けて助けを呼ぶ声の方へ行ってしまった。気がついた時には選別が終わっていた。俺は確かに七日間生き延びて選別に受かったが、一体の鬼も倒さず、助けられただけの人間が果たして選別に通ったと言えるのだろうか。
…師範…富岡さんは最終選別で鬼を殺せずに水柱になった理由を私は知らない
富岡義勇
富岡義勇
俺は水柱になっていい人間じゃない。そもそも柱たちと対等に肩を並べていい人間ですらない。俺は彼らとは違う。本来なら鬼殺隊に俺の居場所は無い
タッタッタッ…
富岡義勇
富岡義勇
柱に稽古をつけてもらえ。それが一番いい。俺には痣も出ない……錆兎なら出たかもしれないが、もう俺に構うな。時間の無駄だ
息をするのも苦しいほど、胸が締め付けられた。
雪風榛香
雪風榛香
……富岡さん……違います、それは違う
私は思わず言葉にしていた。
震える声で、でもまっすぐに。

冨岡さんは黙って背を向けて歩き出した。

私は咄嗟にその手を掴んでいた。
富岡義勇
富岡義勇
……
ピクリとも動かない背中。けれど、確かに私の手の中で、彼の指が小さく震えていた。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
「(きっと義勇さんは自分が死ねば良かったと思っているんだなあ。痛いほどわかる

自分よりも生きていて欲しかった大事な人が自分よりも早く死んでしまったり、それこそ自分を守って死んだりしたら抉られるようにつらい。錆兎…狭霧山で俺に稽古をつけてくれた少年。不思議な体験だった。

もう死んでしまっていたはずの彼が俺と榛香さんを助けてくれた。そうか錆兎は義勇さんと一緒に選別を受けたのか。生きていたら義勇さんと同じくらいの年になる人。凄いなぁ凄いなぁ。選別の時皆を助けたんだ。俺にはできなかった。

自分を守るのが精一杯で。錆兎が生きていたら凄い剣士になっていただろうなあ。それもあって義勇さんは自分が死んでいたら良かったと思っているんだ。わかる。だって俺も同じこと思った)」
榛香さんもあんなにも…義勇さんに根気強く止めている。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
「(煉獄さん、命をかけて俺たちを守ってくれた。凄い人だった誰よりも優しくて強かった。見事な生き様だった最期まで。煉獄さんの代わりに俺が死んだら良かったんじゃないかと思った。煉獄さんならいつか無惨を倒せたんじゃないかって…でも…)」
嘴平伊之助
嘴平伊之助
〈信じると言われたら、それに応えること以外考えんじゃねぇ!〉
竈門炭治郎
竈門炭治郎
「(うんうんうそうだ…そうだよ…だけど義勇さんに何て言ったらいいんだろう。どんなに惨めでも恥ずかしくても生きていかなきゃならない。本人は認めてないけど柱になるまで義勇さんがどれだけ自分を叱咤して叩き上げてきたのか、どれだけ苦しい思いをしてきたことか、義勇さんのことを何も知らない俺がとやかく言えることじゃない。だけど…だけど…どうしても一つだけ聞きたいことがある)」
榛香さんだって、義勇さんと同じ柱だ。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
ぎ…義勇さん!(あああとまってくれない)
雪風榛香
雪風榛香
…何で自分自身を孤独にしようとするんですか?

私は富岡さんを一人にさせれない。昨日の言葉が辛い言葉がそれよりはマシだから…!
竈門炭治郎
竈門炭治郎
義勇さんは錆兎さんから託されたものを繋いでいかないんですか?
そう言ったのは炭治郎だった。
まっすぐな瞳で、強く、言葉を放った。
雪風榛香
雪風榛香
冨岡さんは未熟なんかじゃない。錆兎の分まで、誰よりも戦ってる。私は、知ってます
富岡義勇
富岡義勇
……!
富岡義勇(青年期)
富岡義勇(青年期)
〈さ…錆兎…〉
錆兎(青年期)
錆兎(青年期)
〈自分が死ねば良かったなんて二度と言うなよ。もし言ったらお前とはそれまでだ。友達をやめる。翌日に祝言を挙げるはずだったお前の姉もそんなことは承知の上で鬼からお前を隠して守っているんだ。

他の誰でもないお前が…お前の姉を冒涜するな。お前は絶対死ぬんじゃない。姉が命をかけて繋いでくれた命を、託された未来をお前が繋ぐんだ義勇〉
…未来を繋ぐ…
富岡義勇
富岡義勇
「(痛い。頬を張り飛ばされた衝撃と痛みが鮮やかに蘇る。何故忘れていた?錆兎とのあのやりとり、大事なことだろう。思い出したくなかった。涙が止まらなくなるから。思い出すと悲しすぎて何もできなくなったから。蔦子姉さん、錆兎、未熟でごめん)」
そして…
雪風榛香
雪風榛香
…富岡さん…?
榛香にも迷惑を掛けてしまった。
お前を助けた時、お前の家族、村の人は鬼に殺された。俺は此処に来た時にはお前の妹の手が方向を指していた


来てみれば、木には血…そして奇襲した跡の血…恐らくはお館様が言っていた鬼舞辻無惨の仕業だと思っていた。


けど、血塗れだったお前が奇跡的に生きていた。俺は雪風…榛香を胡蝶の所まで運んだ。


最終選別が終わった後も凄く俺にお礼の言葉を掛けられた。そして、鬼殺隊に入り…水柱の継ぐ子になった。

それからか、榛香の姿が姉さんに似ていた。声は違うが、俺の好物を作って部屋まで運んでくれた。彼女なりの気を遣っていたのだろう。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
「(まずい…ピクリともしなくなったぞ。どうしよう。俺と榛香さん酷いこと言っちゃったかな。義勇さんすでに大分ションボリ状態だったようだし、追いうちかけてしまったのかな。そうだ!早食い勝負をするのはどうだろう。勝負で俺が勝ったら元気出して稽古しませんか?みたいな。俺はまだ復帰許可おりてないから手合わせ的なことできないし、義勇さんと榛香さん寡黙だけど早食いなら喋る必要ないし名案だな!)」
雪風榛香
雪風榛香
あの…炭治郎…
富岡義勇
富岡義勇
……俺も、稽古を──
そう言いかけたその瞬間。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
義勇さん、榛香さんザルそば早食い勝負しませんか?
雪風榛香
雪風榛香
……ん?
富岡義勇
富岡義勇
「(何で?)」
冨岡さんと私、そろって固まった。


冨岡さんは、ため息をついて少し顔を背けた。
でも、なんだか顔が……ほんの少しだけ、優しくなっていた。
雪風榛香
雪風榛香
「…炭治郎、ありがとう。」
きっと、ようやくこの人は、歩き出せる。
過去に囚われるだけじゃなくてこれからを、共に見ていく人たちと。
冨岡義勇は、柱であり、背負ってきたものを持ちながらも、これから誰かにそれを託すことができる人だ。


その隣に、少しでも長くいられるように──
一方…しのぶさんと雪葉は…
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
「(落ちついて大丈夫だよ。姉さん私を落ちつかせて。感情の制御ができないのは未熟者です) ふーふぅぅぅ…」
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
「カナエ姉さん、落ち着いて。しのぶに落ち着かせるから…」
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
師範、雪葉姉さん、お戻りでしたか。私はこれから風柱様の稽古に行って参ります
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
そう
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
…そう
雪葉姉さんと師範が此処に居るのは久し振りの光景だった。
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
師範と雪葉姉さんの稽古は岩柱様の後でよろしいですか?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
私は今回柱稽古には参加できません
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
私は今回は柱稽古に参加しますが、しのぶは今回参加出来ません。
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
え…ど…どうして…
師範が柱稽古に参加しない…?雪葉姉さんは参加するって言っていたのに…どうして…?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
カナヲ、こっちへ
桜猫 雪葉
桜猫 雪葉
カナヲ、こっちに来て
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
あの…あの…私もっと師範と雪葉姉さんと稽古したいです
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
…カナヲも随分自分の気持ちを素直に言えるようになりましたね。いい兆しです。やはり良い頃合いです。私と雪葉姉さん双子の姉カナエを殺したその鬼の殺し方について話しておきましょう
その頃の夕方
夕暮れの空は、オレンジと群青のあいだをさまよっていて、風が少し涼しい。

沈黙が少し続いた。
雪風榛香
雪風榛香
……あの
冨岡さんが、横目でこちらを見る。
雪風榛香
雪風榛香
その…わ、わたしも……義勇さんって、呼んでもいいですか?


柱同士ですし…富岡さん呼ぶより…義勇さんで良いのかなって…
冨岡さんは少し黙ってから、すっと視線を外して言った。
富岡義勇
富岡義勇
……好きに呼んだらいい
雪風榛香
雪風榛香
う、うんっ!
あまりにもあっけなくて、拍子抜けしてしまった。



私も一応、柱なのだが…新米の柱なので…柱稽古の体験をさせてもらう事になりました!
久し振りの大正コソコソ話!
竈門炭治郎
竈門炭治郎
榛香さん、義勇さんと同じくらいのスピードだったなぁ…
あんなにモグモグと食べる量を一人で食べていて…きつねうどんの時はめっちゃ凄く微笑んで食べていたなぁ…。
きつねうどんは榛香の大好物です!
雪風榛香
雪風榛香
(´~`)モグモグ(大正コソコソ話、義勇さんは私の手作りの鮭大根を少し微笑みながら食べてます。)
竈門炭治郎
竈門炭治郎
えっ?もしかして食べながら言ってるの?
雪風榛香
雪風榛香
(*^^*)ウンウン
竈門炭治郎
竈門炭治郎
めっちゃ嬉しそうに食べてる…
柱稽古編は続きます!


次回は榛香が柱稽古の体験をしていく感じになります!


次回 新米、氷柱の柱稽古体験!
竈門炭治郎
竈門炭治郎
以上!

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