と、その時。
目とあった炭治郎は榛香に向き合う。
タッタッタッ…
私も、炭治郎みたいな事は言えないけど…
そして…水屋敷にて…
炭治郎は絶賛骨折中だけど…
…師範が富岡さんが水柱不在な訳が無い。
タッタッタッ!
炭治郎は冨岡さんに引っ付いていた。
昼でも夜でもお構いなし。隙さえあれば話しかけ、ついていく。
最初は鬱陶しそうにしていた冨岡さんも、炭治郎の根気には敵わなかったのか──ついに、ぽつりと口を開いた。
その声音はどこか遠くて、冷たくて、でも、少しだけ震えていた。
師範…いや、富岡さんが最終選別を突破していない?
富岡さんは自分の最終選別のことを話し始めた。
生き残ったのに、生き残ってしまったと感じたこと。
師範の…同い年?
錆兎って…そう言えば…師範の羽織と似ていたような…?
…師範…富岡さんは最終選別で鬼を殺せずに水柱になった理由を私は知らない
タッタッタッ…
息をするのも苦しいほど、胸が締め付けられた。
私は思わず言葉にしていた。
震える声で、でもまっすぐに。
冨岡さんは黙って背を向けて歩き出した。
私は咄嗟にその手を掴んでいた。
ピクリとも動かない背中。けれど、確かに私の手の中で、彼の指が小さく震えていた。
榛香さんもあんなにも…義勇さんに根気強く止めている。
榛香さんだって、義勇さんと同じ柱だ。
そう言ったのは炭治郎だった。
まっすぐな瞳で、強く、言葉を放った。
…未来を繋ぐ…
そして…
榛香にも迷惑を掛けてしまった。
お前を助けた時、お前の家族、村の人は鬼に殺された。俺は此処に来た時にはお前の妹の手が方向を指していた
来てみれば、木には血…そして奇襲した跡の血…恐らくはお館様が言っていた鬼舞辻無惨の仕業だと思っていた。
けど、血塗れだったお前が奇跡的に生きていた。俺は雪風…榛香を胡蝶の所まで運んだ。
最終選別が終わった後も凄く俺にお礼の言葉を掛けられた。そして、鬼殺隊に入り…水柱の継ぐ子になった。
それからか、榛香の姿が姉さんに似ていた。声は違うが、俺の好物を作って部屋まで運んでくれた。彼女なりの気を遣っていたのだろう。
そう言いかけたその瞬間。
冨岡さんと私、そろって固まった。
冨岡さんは、ため息をついて少し顔を背けた。
でも、なんだか顔が……ほんの少しだけ、優しくなっていた。
きっと、ようやくこの人は、歩き出せる。
過去に囚われるだけじゃなくてこれからを、共に見ていく人たちと。
冨岡義勇は、柱であり、背負ってきたものを持ちながらも、これから誰かにそれを託すことができる人だ。
その隣に、少しでも長くいられるように──
一方…しのぶさんと雪葉は…
雪葉姉さんと師範が此処に居るのは久し振りの光景だった。
師範が柱稽古に参加しない…?雪葉姉さんは参加するって言っていたのに…どうして…?
その頃の夕方
夕暮れの空は、オレンジと群青のあいだをさまよっていて、風が少し涼しい。
沈黙が少し続いた。
冨岡さんが、横目でこちらを見る。
冨岡さんは少し黙ってから、すっと視線を外して言った。
あまりにもあっけなくて、拍子抜けしてしまった。
私も一応、柱なのだが…新米の柱なので…柱稽古の体験をさせてもらう事になりました!
久し振りの大正コソコソ話!
きつねうどんは榛香の大好物です!
柱稽古編は続きます!
次回は榛香が柱稽古の体験をしていく感じになります!
次回 新米、氷柱の柱稽古体験!




























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。