第3話

#2「 他の命を糧にして 」
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2025/12/02 07:28 更新






其れから数ヶ月程が経った 。
其の間 、三人は特に険悪になる訳でもなく 、
寧ろ双福がオールマイトの事を「 俊典 」「 俊典殿 」と
呼ぶ位には仲良く迄なった 。








そう 、三人は ” 友人 ” と呼べる程の
間柄になったので或る 。否 、のだ 。











其の日 、オールマイトは疾く仕事を終えた為
二人の様子を見に行こうと思い立った 。








なんせ彼は二人の仕事姿を見た事が無かったのだ 。
「 決して見ないように 。 」と 、
公安から釘を刺されたが故だった 。








だが彼は気になってしまった 。
「 何故見る事を禁止するのか 」
「 何故彼等が仕事中 、公安の監視が必須なのか 」
「 何故……………















二人が何時も疲れた顔をしているのか 」





オールマイト
( 慥か今日は此の辺で
ヤンチャしてるヴィラン組織を
取り締まるだとか……… )
オールマイト
おっ!






早速 、遠くに居る福沢の後ろ姿を見付け 、近づいた 。








仕事が疾く終わったとは云え 、もう既に真っ暗 。
近所の商店街も深く眠りについた頃 、
街灯が如何してか不気味に見える時間帯……








そう 、福沢の影をチカチカと 、何度も作り直しては 、
彼の胸の焦燥感を高く高く積み上げてくる其れだ 。








杞憂だと 、映画の見過ぎだと 。
そう誤魔化す割に心臓は云う事を訊かない 。





オールマイト
福沢…くん 、?



福沢諭吉
…?






福沢は此処でする筈の無い声に 、
フラリと振り返った 。








向けられた頬は紅く濡れていて 、
衣服や自慢の刀にも 、遠慮無しに張り付く其れは 、
青年の美しさをやたら引き立てていた 。





オールマイト
キミ…其の 、足元…… 、、っ






福沢は其の言葉に 、次第に目を丸くした 。
何時もの少し憂いを帯びた鋭利さからは
想像しにくい程に 、如何やら今夜は満月の様だった 。








揺れた血の水面がぴちゃりと音を立てて 、
白い足袋を 、彼の冷静さを主菜に侵食して往く 。





福沢諭吉
ぁ 、否ッ!ち 、違うンだ俊典殿!!
此れは違っ 、違ぅ 、、
兎に角違うんだッ!
は 、こんな事…!!!ッ
福沢諭吉
〜〜っ 、抑々 、
如何して貴方が此処に…!、っ



オールマイト
… 、、






オールマイトは気が遠くなった 。
其処に転がる死体は福沢がやったものなのか 。








そして何よりも 、血塗れの友人に対して
其の姿を「 美しい 」と一瞬でも思ってしまった自分に
憎悪が止まらなかった 。








だが彼の頭は存外人間らしく 、単純だった 。








オールマイトは福沢を抱き締め背中を摩った 。




福沢諭吉
、?としのり…



オールマイト
大丈夫だ 、誰にだって間違いは或る…!
かく云う私も偶にやり過ぎてしまって
相手が大怪我を負ったり
街が大破してしまったり……






「 信じたいモノを信じる 」。








ヒーローならば「 真実を受け止める 」べきだろうに 、
気が動転して友人を庇う等………
此れこそ彼が英雄で或る前に 、
只の人間で或ると云う証拠だ 。





オールマイト
だから大丈夫 、だいじょう…



福地源一郎
意外だな 、アンタでも
現実から目を背ける事が或るだなンて 。



オールマイト
源一郎君…!



福地源一郎
其の歳で老眼でも始まったか?






福地は刀に着いた血を地面に振り捨て 、
自身の背後に目をやる 。








其処には数体の死体があり 、
刀によってザックリと斬られていた 。





オールマイト
…!!
オールマイト
此れ 、は……



福沢諭吉
源一郎…



福地源一郎
落ち着け福沢 、必死に
行儀善くしてた一人称が戻っとるぞ?
福地源一郎
……見られたのなら時間の問題だ 。
福地源一郎
遅かれ早かれバレるのなら…
誤魔化したって無駄だぞ 、福沢 。






二人が故意にやった事だと悟ったオールマイトは 、
わなわなと震えていた 。





オールマイト
如何して 、此の様な事を…ッ



福地源一郎
…俊典 、俺達の役目を忘れたか?



オールマイト
役目…?






そう 、二人の役目はオールマイト英雄の影…





福地源一郎
俺達が解決した事案は
凡てオールマイトの成果として
報道される……
福地源一郎
詰まり 、ヴィラン達からしたら
自分達を捕まえたのは別の人間双福なのに 、
世の中ではオールマイトと認識になるな?
福地源一郎
其れを不思議に思って
世間に其れを知らせると如何なる?
俺達の存在がバレたら 、
お前さんの箔に傷がつくのは当然だ 。

福地源一郎
ならば弒すしか或るまい 。
俺達の存在を知る 、部外者凡てをな 。



オールマイト
…若し 、
一般人が現場を見てしまったら…?



福地源一郎
其れは公安の人間が見張っておる故 、
見られる心配は無いぞ 。



オールマイト
だからと云ってそんな事…!!






珍しく怒っている様子のオールマイト 。
二人は其の発言に目線を落とした 。





福地源一郎
俺達が平気でやっていると思うのか?



オールマイト
っ 、其れ 、は……



福地源一郎
はぁ…
福地源一郎
変な方向で人を過信する癖に 、
其処は判断を渋るンだな 。



オールマイト
…では 、キミ達の上司が……



福沢諭吉
悪いが 、我々は  ” 生きる為 ” に 、
貴殿を護る為にやらなければならない 。
福沢諭吉
其れが 、契りだからだ… 。






詰まる処 、自らの存在を煙に巻かなければ 、
英雄として尊敬するオールマイトの地位は落ち 、
云う事を訊かぬ獣共は弒処分される訳で…








其の代価が 、其の日初めて逢った敵の命と云う……
何とも単純な話だ 。





福沢諭吉
俊典殿 、疾く此の場を離れよ 。
心無い公安に見付かると拙い… 。



オールマイト



福沢諭吉
…頼む 、ッ!
良くないとは判っている 、!!
此の様な事をやる為に 、
刀を握った訳では無い事も…!
福沢諭吉
だが逃げる術も無ければ 、
他の者達が如何なるやも判らんのだ…
福沢諭吉
だから 、其の者達の為にも…
今日の事は無かった事にして 、
疾く 、疾く此の場を…離れて……



福地源一郎
俺からも頼む 、俊典 。
ほれ 、お前を求む声が
彼方から訊こえて来たぞ?笑






珍しく 、そして酷く狼狽える友人と 、
目元に皺を寄せ目を細め 、一つ息を吐けば
泣き出してしまいそうなのに嗤う友人…… 。








作った優しげな笑顔を其の侭に 、
彼は顎で方向を示した 。
其の先に 、英雄を求める者の姿は無い 。嘘だった 。








強いて云うなら 、英雄を求めているのは
目の前に居る二人であろう 。





オールマイト






結果として 、
オールマイトは黙って其の場を離れた 。
指し示された方向に 、静かに歩みを進めた 。








此の時彼の脳内には 、次の事しか無かった 。








「 会長に話を伺う 」








只 、其れだけだった 。









次回 「 猛獣共の飼育方法 」











【 +‪α‬ 】
〜 三人の関係 〜


福沢→
福地=幼馴染 、ライバル
オールマイト=憧れの人

福地→
福沢=幼馴染 、ライバル 、此奴の隣は譲れない
オールマイト=憧れの人
※オールマイトの事をより尊敬しているのは福沢さんの方です 。

オールマイト
双福=大切な友人 、心配






ぬっし
福地さんは「此奴の隣は譲れない」
と思っている様ですね 。
だからこそ彼はオールマイトより
憎む事になります 。

因みにですが福沢さんは今も昔も
オールマイトの事を憎んでいません 。
只 、少し哀しくなってしまうだけです 。

ぬっし
楽嬉さんスポットライトありがとうございます!
ぬっし
あと何故かランキング入ってました
其方もありがとうございます!!!!
ぬっし
ではではヾ( ˙꒳˙  )バイバイ





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