※此処に出てくる会長は現代の女性会長ではなく 、其の一個前の会長だと思って下さい 。捏造ってことです 。
時は二十五年前 、
オールマイトも現役でヒーロー活動をしていた時代…
異能力者の実在を知る者は公安や政府のみ 。
他の人間は何も知らず 、横浜では都市伝説……
……少しだけ訂正すると 、
個性を知らない時代を生きた不老不死の老人共も
知っているのだろう 。無論 、覚えていればの話だが 。
そんな希少種で或る異能力者 。
公安・政府が其れに目を付けたのが 、
此の時代の始まりであった 。
其の一人目の被害者の名は ” 種田山頭火 ” 。
彼は公安の資料に記された異能力者の子孫であり 、
其れにより目をつけられた 、
史上最も可哀想な異能力者で或る 。精神的に 。
公安と政府からしたら運の佳い事に 、
彼は「 自身の近くで発動された異能 、又は個性の内容が瞬時に判る能力 」と云う異能を持っていた 。
また 、「 其の発動された能力が
異能か個性かを判別する 」事も出来るそうな…
そんな能力によって公安に首輪を嵌められたのは 、
” 一匹の獅子 ” と 、 ” 一匹の狼 ” であった 。
「 平和の象徴 」
そう呼ばれた男は 、其の賞賛に
感謝と世辞と…そして未だ絶える事を知らない笑顔を
連ねた 。
そんな純粋な返事に 、
会長は稀に見るニッコリとした笑顔を返した 。
会長サマは猫撫で声から威厳の或る低い声…
ゆうに一オクターブは超える変わり様で 、
出入口の扉に向かって指示を投げる 。
すると扉が「 ギっ 」と短い悲鳴をあげ 、
” 二人の若者 ” を招き入れた 。
急な痛みに青年は頭を抑えた 。
はしゃぐ青年の後頭部に 、
隣の銀髪の青年が一発くらわせたのだ 。
最もな意見だが未だ々々歳頃なのだろう 。
福地はバツが悪そうに福沢を睨む 。
そんな或る意味仲の良さそうな青年等を見て 、
オールマイトは目をパチパチとさせた 。
そう云われオールマイトはもう一度青年等を見る 。
手を後ろで組み立ち並ぶ彼等は
未だ互いを睨み合っていた 。
困惑するオールマイトに
会長はゆっくりと頷いた 。
会長の合図で二人は膝を着く 。
不穏な単語にオールマイトの眉が曲がる 。
此の時 、オールマイトの顔は笑顔を保てていない 。
其の事にすら気づかない程 、彼は絶句していた 。
オールマイトは口の端を上げ直した 。
だが其の表情は 、嗤っている 、と云う顔では無い 。
其の答えに会長は「 そう仰ると思っていました 。」
と 、にこやかに云った 。
象徴の圧力に会長は正に蛇に睨まれた蛙であったが 、
日本の 、世界の為にまた下衆を演じる 。
其処迄云った会長は後の言葉を口に留め 、
オールマイトに近づき耳元でこう囁いた 。
尤も 、会長と云う人間に人の心が無い訳じゃあない 。
只…「 平和の象徴 」と云う
” 犯罪抑制 ” の具現を消滅させたくないのだ 。
そしてより慥かに 、強固なものにしたい 。
……凡ては 、世界の為に…
そう少し苦しそうに返事をすると 、
彼はもう一度二人の若者へと向いた 。
「 頼りにしている 」
憧れの人物にそう云われ 、
二人は目をキラキラと 、子供の様に輝かせる 。
会長は其の様子を 、
静かに微笑ましく思っていた 。
歳としては全員 、息子でも可笑しくない 。
だからこそ誰よりも願っていた 。
此れからの事 、凡て上手くいくように……と 。
【 +α 】
※ 読まないと此れからよく判んないぜって事になるかもなので毎回読んどいて頂けると嬉しいです 。
〜 種田山頭火 について 〜
其の異能を購われ 、公安・政府に捕まった異能力者一人目 。
街中を歩いて異能力者を見付け 、其れを政府に知らせる 。其の後拉致された異能力者は政府 、または公安に引き取られ 、訓練・研究・仕事に遣われる 。
此れを繰り返すのが種田の仕事であった 。
当然何度も辞めたいと思った 。自分の手で此れ以上被害者を増やしたくは無かった 。
だが出来なかった 。
何故なら彼は 、自分の仕事は「保護」なのだと当初は認識していたからで或る 。此処で問おう 、自分が逃げれば其の扶けた者達は如何なる…?答えは明白 。詰まり 、人質と云う訳だ 。
処で如何やって福沢が異能力者だと判ったのか…其の経緯だが 、最初は福地のみの保護の予定だった 。
政府と種田は 、先ず政府系の武術道場等を巡った 。
其の中で福地の居る政府系の武術流派修める道場を訪ねる 。福地が異能者だと判明 、直ぐに拘束を試みる 。
然し福地が抵抗 。福沢と 、二人が通う道場の門下生は其れを扶けようとした 。
其の道場の中で最も強いのは福地と福沢であった為 、
他の門下生達は福沢を援護すると云い 、尚且つ福沢は其れを受け入れた 。
其の瞬間 、福沢の異能が初めて発動した 。種田は其の異能を認識し 、福沢も「保護」する形に……
と云うのが 、大雑把な事の経緯で或る 。
▶︎種田の異能により公安・政府に捕らわれた異能力者一覧
・福地桜痴
・福沢諭吉
・坂口安吾
・辻村深月
・綾辻行人 (尚 、普通に事務所で暮らしている 、監視付きで 。但し勝手に抜け出す為特に意味は無い 。)
・泉鏡花の母
・大倉燁子
・織田作之助
・澁澤龍彦
次回「 他の命を糧にして 」











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。