第5話

#4「 一匹獅子 」
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2025/12/29 08:56 更新






福地源一郎 side







俊典に仕事の事がバレて 、早四年程が経った 。
( ※現代軸から見たら二十一年前です 。)








其の間 、特に何が或る事も無く 、
順調と云えば順調と云える日々………
只少し心の穴が増えていくだけの日々 。








……嗚呼 、あと噂になっている話が或る 。
” 異能力による身体強化手術 ” …








とんでもない力を得る事が出来るらしいが 、
未だ誰一人として成功していないらしい 。
なんでも 、躰への負荷に耐えられないのだとか……





福地源一郎
( …若し俺達も用済みになったら 、
其の手術を受けるのだろうか…… )






人喰らいの狗から今度は実験体モルモットになるのか…
随分とまた滑稽だな 、笑





福地源一郎
( …福沢には 、させたくないな 、、)






其の事を考えつつ 、
俺は血の着いた感覚が未だ残る頬を摩っていた 。








もう慣れたと云えば慣れたのだが 、
背筋や脚 、耳の裏を通るゾワリとした感覚は
矢張り気味悪いものだ 。





福地源一郎
( 福沢 、福沢は何処に…… )

福地源一郎
…!






公安の通路を歩いていた俺は 、咄嗟に道陰に隠れた 。
福沢と 、俊典が居たからだ 。








友だ 、何を隠れる必要が或る………?









意味の無い自問自答 。
無意識に浮かび上がってきた自問自答の答えは 、
当然直ぐに答えられた 。








此処は俺や福沢を含めた異能力者達が住居とする(管理されている)地下 。
其々六畳程の広さの部屋が与えられており 、
正に収監された様な 、
淋しい空気が何時だって漂っている 。








其の道程の中で 、尤も目立たず話し合いが出来る場所 。
二人は其処に居た 。そして…………





福地源一郎
( 何だ 。何なんだ 、
俊典……其の顔は… )






変わらず白い歯を見せている 。
其処は何時も通りだ 。
だが眉は下がっており 、
幾らかあの巨体が小さく見える 。








だから俺は隠れた 。
俺抜きで何を内緒話する心算なのか……





福地源一郎
( 悪いが 、盗み訊きをさせて貰うぞ… )






俺は息を弒した 。
一言一句 、訊き逃さない為に……





オールマイト
済まないね 、夜更けに…



福沢諭吉
否 、問題無い 。
福沢諭吉
…して 、話とは……?



オールマイト
あ 、嗚呼…
実は 、其の 、、ね………






話の内容はこうだった 。








『 此処から抜け出して 、自由になる方法が或る 』








此奴が云い淀んで
中々口に出さないものだから 、
其処は割愛させて貰った 。





福沢諭吉
……其れは 、何(ど)の様にして…?



オールマイト
…!






福沢の一つ目の回答は 、俊典にとって
嬉しいものだった 。





オールマイト
前向きに考えて呉れて嬉しいよ…!
オールマイト
方法だけど 、
皆が寝静まった時かな 。
警備も手薄だろうし 、丁度良い 。
オールマイト
ルートや抜け穴は私が準備する 。
まぁ 、今回は顔の広さが
功を奏したかな 。笑



福沢諭吉
そんな簡単にいくものなのか?



オールマイト
難易度はキミの事だ 、大丈夫だろう 。
オールマイト
だが抜け出した後の居場所が問題だ 。
餓死してしまったりしたら元も子も無い 。
オールマイト
だから何回かやる事になるだろう 。
安心出来る場所を 、人を……
オールマイト
少しずつ!捜すンだ…!






俊典の力強い言葉に 、
福沢は顎に手を中て少しの間俯いた 。








恐らく 、今俺と福沢は同じ事を考えているだろう 。





福沢諭吉
貴君の事だ 、其処は信頼しよう 。
だが………

福沢諭吉
他の者は如何なる?






そうだ 、
誰かが裏切れば他の異能力者が何をされるか判らない 。
そう云われ続け従って来た 。








一人だけ扶かる等 、絶対に無しだ 。





オールマイト
……実はね 、君達が
危惧している事にはならないのだよ 、
絶対と云って良い程にね 。



双福
…!!

福沢諭吉
其れは 、詰まり………?



オールマイト
…本当は 、
口止めされてるンだけどね 。笑






またもや優柔不断な俊典に変わって俺が纏めてやろう 。








『 会長は異能力者を弒す心算等毛頭無い 』らしい 。








一応の根拠としては
『 抑 、標本(サンプル)の少ないものを
自ら手にかけるのは有り得ない話で或る 。』だとか





オールマイト
だからね 、キミが此処を
出ようが仲間には手を出されない 。
否 、出せないんだ 。

オールマイト
…判って 、呉れたかな 、、?




福沢諭吉
……っ






福沢は息を呑んで目を輝かせた 。
其れは俺も同じだった 。








だが其れは何秒後かに瞬きを失う 。





福沢諭吉
っ凄いぞ俊典殿…!流石は貴方だ!!
平和の象徴で或る 、貴方の影と成れて
本っ当に善かった……!!!






「 不幸中の幸い 」…
象徴の影と成れた事 、俺もそう思った 。








漸く終われるのだと思った 。
漸く此の息苦しさが少し楽になるのだと思った 。








漸く 、友と「 誠なる正義 」を追えると思った 。








そう 、思ったのに……………………!!





福沢諭吉
有難う俊典 、オールマイト…!!
早速此の事を源一郎に……!




福地源一郎
( っやべ…!)






盗み訊きしてたなんてバレたら
またムスッと顔で「 其れが正義を追う者のやる事か 」
と云われてしまう 。








だが 、そうはならなかった 。





オールマイト
っ待ち給え…!



福沢諭吉
…?






やたらめったら焦った 、小さい声が訊こえた 。








奴は俺の処へと
吉報を届けようとする福沢を制止したのだ 。





福沢諭吉
俊典殿 、?未だ何か……



オールマイト
っ 、か 、彼には…!










オールマイト
伝えないで 、欲しい 、、………… 。



福沢諭吉
…
福沢諭吉
は……?






後頭部を下から殴られた様な衝撃だった 。





福沢諭吉
あ 、嗚呼 、…!
久しく見てなかったか 、
奴の百面相は 。笑






無理矢理良い方に意図を読み取った福沢は 、
案内をする様に道を空け 、
手を上向きに進行方向へ向けた 。





福沢諭吉
近頃めっきり仏頂面な奴でも 、
此の報せには涙を流して喜ぶだろう 。
福沢諭吉
驚かせたいのなら私もお供を……



オールマイト
否 、っ違う 、そうじゃ 、ないんだ…






俊典の狼狽えっぷりに 、
理由は未だしも 、流石の福沢も察しがついた 。





福沢諭吉
俺だけ逃がすと 、
そう云っているのか……?






察しは怒りだった 。一人称が荒くなる 。








奴は顔を両手で覆った侭 、頷いた 。





福沢諭吉
っ何故だ?!
何故源一郎を…!!!



オールマイト
落ち着いて呉れ!!
私だって……ッ!
オールマイト
…






だって…………だって 、何なのだろうか 。





オールマイト
彼はもう 、扶からない…



福地源一郎
…?






何を云っているのだ?此奴は……





オールマイト
偶に 、キミ達の仕事ぶりを
バレない様見ていた……






嗚呼 、知っている 。視線を感じていた 。








何時も 、「 莫迦なのか 」と思っていた 。





オールマイト
慥かにキミは狂い始めている…!
だが罪悪感を抱く様な 、後悔に
染まった顔を時にしている事 、!
私は知っている!!
オールマイト
だが 、彼は 、源一郎君は……



オールマイト
彼はもう 、完全に 、
機械の様に人を弒している…!






…嗚呼…… 、嗚呼…………………… 。





オールマイト
段々と 、
目に宿っていた正義の炎が消えて 、
そして失せてしまった様に見えた 。
真っ…暗な目だ 。






理解するのに 、そう時間は掛からなかった 。








感情が乗ってこないのは
俊典の云う通り 、俺が変わってしまったからか 、
或いは…………





オールマイト
もう 、手遅れなんだ…






否 、違う 。決して其の様な事は無い 。
俺は失って等いない 。








只 、何も考えない方が楽だからだ 。
何時も隣に居る福沢の 、偶の思い詰めた顔を見れば 、
よぅく其の重要さが判る 。








だから俺は失って等いない 。
仕舞って或るだけだ 、深くも 、浅くもない処に 。
仕舞っているだけなのだ 。








如何して判らない 、気づかない 、
俺に直接話をしようとしない…………?





オールマイト
だから 、彼の事は……!



福沢諭吉
心が毀れていようが関係ない…!
尚更此処から連れ出すべきだ!!



オールマイト
違うッ!!
私はキミを優先しようと……!!!



福沢諭吉
嗚呼俺も出ていきたい…ッ!!
こんな処で自分を見失いたくない!!
だが源一郎を 、源一郎を……!!!!






二人の云い闘いが訊こえる 。








訊こうと思うが 、思うのだが 、
靄が掛かった様に上手く訊こえない 。








俺は何も云わず其の場を離れ 、自室に戻った 。
何時もは寒くすら感じる部屋が 、
今日は温度を感じられない 。





福地源一郎
…






其れから福沢が夜に抜け出す事が度々あった 。








何日か毎に 、
抜け出し帰って来た友が
罰を受けているのを黙って見る日々……








何日か毎に 、
「 嗚呼 、自分は友二人に捨てられたのだ 」
と思う日々………








日が進むにつれ目を合わせなくなっていく友 。
辞めて呉れ 、中途半端な同情等不愉快なだけだ…… 。








そんな日常が進み 、一年経つ少し前の頃だった 。
その日 、遂に福沢は帰って来なかった 。
如何やらGPS迄繋がらないらしい 。





福地源一郎
( イイ女でも居たか 、
暖かい家庭に迎えられたか…… )






本音を云うと…
否 、此れを本音だと確信出来る自分も居ないのだが 、
心の底から祝福していた 。








当然だ 。我が 、友だからだ 。








だが其れと同時に妬ましい 。
俺と云う友を置いて行ったのか 、何も告げず 、
自分だけ扶かろうと云うのか 。
俺ならそんな薄情事しない 。
そう 、しないのだ 。ならば…………






福地源一郎
( 俺は 、未だ期待して良いのか…?
友(福沢)が 、此処から
扶け出して呉れる事を…… )



福地源一郎
… ハハっ 、笑






思わず乾いた笑みが零れる 。








「 夢を見るのも良い加減にしろ 」
手元の紙が 、そう云っている様な気がした 。








其奴は ” 異能力による身体強化手術 ” の案内(俺の結末)
が書かれた紙だった 。









次回 →  番外編「 狼の子育て 」









【 +‪α 】
〜 オールマイト( 八木俊典 )の考え 〜
⬇️の事を福地さんが去った後に福沢さんに云っていたと思って下さい 。すれ違いをしてしまい 、此の過去編の福地さんは勘違いしている状態です 。現在(50歳)の福地さんは福沢さんから話を訊いているので勘違いはしていません 。只 、自分と話もせず勝手に諦めた事を怒っています 。


抜け出すのは容易では無い 、
だから確実を考え 、一人しか手伝う事は出来なかった 。

正確に云うと 、
福地を救う事を完全に諦めている訳では無く 、
慥かに自分が救うのは難しいが福沢が後から扶け出す
と云う選択肢が或る 、と云う考えだった 。
其処に関しては本人達の好きにすれば良いと 、
自分は干渉出来ないが 、
寧ろ救ってやって欲しいと思っていた 。

近くに居ても 、自ら手を伸ばせない辛さ 。
八木俊典は英雄として 、象徴として…
此の出来事は迚も悔しい事であった 。
そして友は扶け合うもの 。
自らの手を差し伸べてやれなかった事を後悔している 。






ぬっし
お久しぶりで〜〜す
ぬっし
名前にある通りFGOでね 、
一寸世界救うのに忙しくてですね 、
更新遅くなり大変申し訳ありません 。
ぬっし
てかFGOやってる人います??
私はマイフレンド…
マンドリカルドくん推しです
きゃわいいですよまじ
ストーリー出てきた瞬間聖杯何個か
投げつけましたからね私 。
ぬっし
其れではバァイヾ( ˙꒳˙  )





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