不破雷蔵 視点
慣れない風呂場で足を挫いた僕を
三郎が肩を貸してくれた
けど、やっぱり一人じゃ大変そうだった
その時にあなたさんと目が合った
こんなあなたさん、初めて見た
話した瞬間
ガチャッ
知らない男性が乗り込んできた
早く逃げないと
分かってるのに 体は恐怖で固まってる
忍者のたまごなのに…なんで…
あなたさんの…
おとう…さん…?
僕たちを守るように抱きしめる
ドゴッ
そう言って目を覆われた
僕が 早く逃げなかったのが悪いのに
「大丈夫」と言ってくれた
でも 大丈夫なんかじゃないのは知ってるよ
ごめん
ごめんなさい…
そう言うことができずに
言われた通りに耳を抑えた
ずっと
ずっと ずっと
あなたさんは僕達を離すことはなかった
痣だらけの姿で言われて
頭を撫でる手は 優しくて あたたかくて
ずっと…どこかでまだ疑っていた自分を後悔した
ニコッと笑って…僕に寄りかかった
僕の声が上にまで響いたのか
先輩達が降りてきた
その通りだ
僕のせいで 無茶をさせたんだ…
僕を優しく見つめる
治療されていた体を動かして
僕の方へ来る
僕の前に座る
手を広げる












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!