第3話

第一話【手を差し伸べてくれたのは】
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2026/03/20 00:40 更新


カーテンの隙間ら差し込む薄い光に、私は目を細めた。
部屋の空気は冷たく、手元のノートに触れるのが怖い。
数日、いや数週間、誰とも話してない。
声も出さず、息を潜める日々。

蒼井茜
蒼井茜
元気?

(なまえ)
あなた
……⁉︎

突然の声に体が跳ねる。
振り向くと、そこには蒼井茜こと茜くんが立っていた。
幼馴染の茜くんは、いつも通り柔らかく微笑む

(なまえ)
あなた
……大丈夫。私は……

言葉が喉で詰まる。
上手く返せない私に、茜くんはただそっと座ってくれた。
その日、スマホに短いメッセージが届く。

源光
源光
「無理しないでくださいね」

送ってくれるのは源光こと光くんだった。
不器用だけど暖かい言葉。
読むだけで、少し胸が軽くなる。
さらに次の日、玄関先であったのは源輝こと源先輩。

源輝
源輝
教室に戻る準備ができたら、無理せず知らせて

その一言で、少しずつ外の世界が怖くなくなった気がした。
そして、帰り道で偶然出会ったのは柚木普。

柚木普
柚木普
図書室、一緒に行く?

特別な言葉ではない。
でも、普通のともだちとして誘ってくるその態度が、胸にじんわり染みる。
閉じこもる生活の中で、初めて誰かの存在を「救い」だと感じた日だった。
小さな手の温もり、優しい声、少しの笑顔。
それだけで、私はまだ外の世界に触れられるんだと気づいた。

(なまえ)
あなた
…。もう少し、頑張ってみようかな

そう、静かに自分に言い聞かせる。
だれかが待ってくれているなら、もう一度扉を開けてもいいかもしれない___ ___そんな気持ちが芽生えた、引きこもり少女の初めての一歩。
いいねが増えないので…だします!
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