JS side
心配でしかたなかった。
僕の今まで大切に、丁重、蝶よ花よと扱ってきた妹に何か起こってしまうことが。
…でもそこまで心配しなくても問題なかったようで、
意外にもすぐにあなたの階から降りてきたあなたの「友達」は礼儀正しくお辞儀をした。
びっくりした、どうせ我に返って僕にサインを求めるか睨んで帰っていくかと思ったのに、
…ある意味この子はあなたの近くに置きたくないかも、
あの子が変わってしまうような気がする、
…でもいいのかも、
僕達のことをずっとコンプレックスと感じているあなたにとって、僕にずっと守られていることは苦痛なのかもしれない、そう確信に近い予想ができてしまった。
にっこり笑う母さんも、
きっと本当は気づいているんだ
でも、僕たちは言えない
誰よりも知識と格式、品格、能力を持っているからこそ、
向き合わなければ行けなくなってしまった時、
僕たちは失うものが多すぎるから
お金ならいくら失ったっていい。
僕たちが1番失いたくないのに、勝手に溢れてしまう人が僕たちの前から消えたら、
僕たちはどうすればいいかわからないだ。あなた。
全てを見透かしたようなあいつの目
少し茶味がかった貪欲な瞳はキラキラと輝いていながらも繊細で奥が深い。
急かすように、出てけと言わんばかりに捲し立てると、あいつは靴を履いて帰る支度をした。
帰り際あいつの耳元でそうつぶやくと、一瞬だけ動揺が見えた。
でもすぐに顔を見上げて笑い、
そう言って大きくて透き通る声でリビングの母にお礼を行って、彼は玄関から出ていった。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!