そう言って三、四人の女子がでていって私以外誰もいなくなった旧校舎。
静かで、不気味。
もう夕陽も落ち始めて、黄昏時が始まるくらいの時間帯。
この時間まで殴られたのは始めてで、身体は自分の血で少し汚れている。
とっくに笑顔の作り方なんて忘れてしまった私は、自分のことを嘲笑うように、自分に言葉を吐いた。
捨てられると困るから、私は毎週、ここに来るときはバッグを教室に置いてから来る。
今日もそうしてきたから教室まで戻らないといけない。
こんなズタボロな姿で学校に戻るのは気が引けるけど、今は先生も会議中だし、生徒ももう部活も終わっていて、学校にはいないだろう。
そう考え、私は重い体を動かしながら自分の教室へと向かった。
私の考えは正しかったみたいで、寒い冬の今日は、この寒い校舎に残ろうとする人は居なく、教室はがらんとしていた。
教室の救急箱に手を伸ばし、絆創膏と消毒液、包帯を探す。
普通じゃありえないくらいの絆創膏の量と、それに相応するくらいの包帯を救急箱から取って自席に座った。
絆創膏を貼り始めた私は、どうも不器用みたいで傷のところにうまく貼れず苦戦中。
やっぱり何回やってもうまく出来なかった私は、
諦めて持ってきた絆創膏達を元の場所に戻し、バッグを持って教室からでた。
生徒が誰もいないと思い込み、油断した私が馬鹿だった。
だってまだ、最終下校時間になってなかったから、
ジョンハンくんがいるのもおかしくないよね、
今日の朝の出来事をみられたのだから、この傷の言い逃れは私はたぶん出来ない。
学年1位も、そんな土壇場での語彙力は持ち合わせていない。
くしゃっと、眉を顰めるジョンハンくんに少しの恐怖感を感じ、
おぼつかない言葉達を並べて、
私は今年に入って1番と言えるくらいのスピードで走り、学校を出た。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!