現在時刻深夜23時過ぎ。
いつもだったら18時頃に虚空教の勧誘が来るが、
今日は此処に人が来る気配は無い。
此処に誰か来るのを断じて待ち望んではいないが、
ここ最近のルーティンが崩れたことで
時間の感覚が狂ってきているのを実感している。
故郷・桜魔で研究職に務めていたころは
朝までオールして 2日後にぶっ倒れるなんてこと
日常茶飯だったなぁ……なんて昔を思い出す。
そう思い寝室に足を運ぼうとした時だった。
ピンポーン
今日はもう鳴らないと思っていた
インターホンが 私を引き留める様に鳴った。
この家はわりかし古い集合住宅のため
生憎 ドアスコープ というものがない。
つまり来客の姿を確かめるには
ドアを開けて目視する 以外方法がないのだ。
そんなことも考慮した上で、
このチャイムには 応えないことにした。
そう言って玄関に背を向け、
寝室を目指し 長い廊下を戻り始めた。
玄関のドアの向こう側に、少し酔っているのか
ほんわかと顔が火照っている男性が1人。
派手なメッシュを指でくるくるといじりながら、
さっきの出来事が不満なのか、こう言葉を並べた。
仕事、とはどうやら虚空教の勧誘らしい。
働いている店の接客がてら 勧誘をこなす
さすがは虚空教の 幹部 といったところ。
男性がそう話をした後、
夜の静寂を裂く音が再び響いた。
一回だけでなく何度も繰り返して。
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
何度も繰り返して その音が止まることはない。
" ピンポーン "
もちろんその音は彼女にも聞こえているようで、
ドアのすぐ内側には音に怯える姿が1人分。
インターホンを押す人物を知るために、
ロックチェーン が掛かっている ドアに
彼女はゆっくりと時間をかけ、手を伸ばした。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。