第4話

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2024/03/03 00:23
ゾロゾロ

正直びっくりした
死ぬかもしれないこの仕事を所望する人がこんなにいるとは
(なまえ)
あなた
(ド、ドキドキしてきた……)
そのとき、
見覚えのある後ろ姿が見えた
黒くて長い髪。
水色の毛先。
まさか……
(なまえ)
あなた
あ、あの!
時透無一郎
時透無一郎
……
(なまえ)
あなた
久しぶりだね……?
(なまえ)
あなた
数年ぶりに見たから見分けつかないな〜笑
(なまえ)
あなた
なんでこんなとこに……
時透無一郎
時透無一郎
時透無一郎
時透無一郎
誰なの?
(なまえ)
あなた
……え?
時透無一郎
時透無一郎
僕、君のことなんて知らないから
時透無一郎
時透無一郎
話しかけないでよ
(なまえ)
あなた
……知らないってどういうこと?
(なまえ)
あなた
だって……ずっと一緒に遊んでたじゃん……
(なまえ)
あなた
あ!わかった!有一郎でしょ!!?
(なまえ)
あなた
ひどいなー……あはは……
口調は違うものの、この刺さるような冷たさはきっと有一郎だ
まだこの性格直ってなかったんだ
……お願い。嘘だと言って
冗談だよって、からかっただけだよって
お願い
お願い
お願い……
時透無一郎
時透無一郎
……有一郎がだれかは知らないけど、
時透無一郎
時透無一郎
気安く喋りかけないで
冒頭に戻る
(なまえ)
あなた
なんで……
(なまえ)
あなた
覚えてないの……っ?
私はそう言って、手を伸ばす
パシッ
時透無一郎
時透無一郎
本当になんなの?気持ち悪いんだけど
幼馴染にそんなことを言われ、ぐっさりと来る
私の目からは大粒の涙が流れた
時透無一郎
時透無一郎
……はぁ
踵を返し、他のところへ行こうとする
(なまえ)
あなた
私はっ!!
(なまえ)
あなた
あなたの名字 あなたの下の名前っ……
(なまえ)
あなた
……忘れないでね
時透無一郎
時透無一郎
無理。すぐ忘れるよ
時透無一郎
時透無一郎
……僕は時透無一郎
名前を言って、他のところへ行ってしまった
……え?
無一郎……?
あんな可愛かった無一郎があんなになる……??
え……(困惑)
シャキンッ
(なまえ)
あなた
……
無一郎のことが気になりすぎてむしゃくしゃしてきた
覚えてない?記憶喪失??
……有一郎はどこいったの?
無一郎だけを危ない目に合わせるわけ……
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
(なまえ)
あなた
風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ
私は風の呼吸の使い手だ
……師範は風柱だからね
(なまえ)
あなた
(とりあえず太陽が早く昇る東に行こう)
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!
時透無一郎
時透無一郎
うるさい
あ……
時透無一郎
時透無一郎
時透無一郎
時透無一郎
……君、誰だっけ?
……有言実行。すぐ忘れましたねこの人
(なまえ)
あなた
あなたの下の名前。
時透無一郎
時透無一郎
……あぁ、さっきあった気がする
(なまえ)
あなた
……
この人の記憶にはもう残れないんだろうか
時透無一郎
時透無一郎
後ろ
(なまえ)
あなた
わかってる
背後から襲ってきた鬼を切りつける
時透無一郎
時透無一郎
……他の人よりは強いね
(なまえ)
あなた
風柱の継子だから
時透無一郎
時透無一郎
……
(なまえ)
あなた
……
ポツンッ
(なまえ)
あなた
ザァァァァ
(なまえ)
あなた
ひゃっ!雨??
けっこう土砂降りだ
時透無一郎
時透無一郎
来て
(なまえ)
あなた
無一郎に案内されたところは小さめの洞穴だった
(なまえ)
あなた
……よく知ってたね
時透無一郎
時透無一郎
さっき通ったから
再び沈黙が流れる。
話題……話題……
(なまえ)
あなた
む、無一郎はなんの呼吸使ってる……の?
時透無一郎
時透無一郎
……霞の呼吸
(なまえ)
あなた
私は風の呼吸だよ
時透無一郎
時透無一郎
……
(なまえ)
あなた
……
(なまえ)
あなた
ここの鬼あんま強くないよねー……?
時透無一郎
時透無一郎
当たり前じゃん。ここでつまずくなんて鬼殺隊やめた方がいいよ
(なまえ)
あなた
そうだね……笑
時透無一郎
時透無一郎
……
(なまえ)
あなた
……
こいつ話す気ないな
(なまえ)
あなた
(なんかもういいや……)
雨はまだ降っている

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