第3話

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2024/07/26 04:46
不死川実弥
あと8周
(なまえ)
あなた
は、はいぃ……
山を10周という過酷な地獄。
まだ2周目だ
(なまえ)
あなた
おえっ
不死川さん……師範からみて私の体力は全然ないらしい
ある方だと思ってたのだが
不死川実弥
素振り1000回
(なまえ)
あなた
はい
3時間かけて山を周り終わり、素振りに移動した
ブンッ、ブンッ
不死川実弥
遅い。あと力入れすぎだァ。バテるぞ
もうバテてます。なんて言葉は死んでも言えなかった
次の訓練が私が1番嫌いな訓練だ
受ける時間は短いが、寒がりの私にとっては致命的な訓練……それは……
ザバァァァァ
(なまえ)
あなた
(滝に打たれる!)
寒い
寒すぎる
チラリと横を見ると師範もやっている
平然とした顔だ
(なまえ)
あなた
(師範、どちらかというと暑がりっぽそう……)
不死川実弥
集中しろォ
(なまえ)
あなた
はっ、はい!
集中
集中……
……
寒い
(なまえ)
あなた
寒……
不死川実弥
休憩にするぞォ
師範は、私が滝打ちが嫌いなのを分かっているからこれが終わったあとは必ず休憩を挟んでくれる
今日のお昼はおにぎりとたくあん。あと甘味におはぎ
(なまえ)
あなた
いただきます
不死川実弥
いただきますゥ
(なまえ)
あなた
モグモグモグ
不死川実弥
……
不死川実弥
お前の住んでた山、リスいたかァ?
(なまえ)
あなた
え?いましたけど……なんでですか?
不死川実弥
いや、リスに似たんだろうなァと思って
(なまえ)
あなた
???
そういえば、有一郎達にもそんなことを言われた気がする
時透有一郎
時透有一郎
お前……リスみたいだな
時透無一郎
時透無一郎
ふふふっ……
……まぁ、リスは好きだけど
それから数年、私は毎日毎日訓練を続けた
走り込みの距離も長くなったし、素振りの回数も増えた。滝打ちの時間だって長くなっている
しかし、訓練の量に比例するように長く走ってもバテないし、素振りの速度も上がった。
滝打ちはまだ寒いが、やはり前より集中できる
そして、鬼殺隊に大事な呼吸。これも習ってしっかりできるようになった
そんな中、師範の言葉に私は固まった
不死川実弥
育てすぎたなァ
(なまえ)
あなた
……へ?
不死川実弥
そこら辺の一般隊士よりも全然強いくらいだァ
私が強い?
なわけない
だって……師範と比べたらまだまだ……
不死川実弥
俺と比べてどうすんだァ。
(なまえ)
あなた
それは……
そうだけれども……
不死川実弥
近々、最終戦別があるゥ。
(なまえ)
あなた
私……そのくらいになったんですか?
不死川実弥
まだ14だが大丈夫だァ
不死川実弥
快く送り出せるぞォ
(なまえ)
あなた
……はい
もちろん、隣に有一郎達はいない。
嗚呼、こんなにも苦しいものなんだな
喜びを分かち合える友達がいないって
(なまえ)
あなた
(バカみたい……私が間違えたのに)

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