山を10周という過酷な地獄。
まだ2周目だ
不死川さん……師範からみて私の体力は全然ないらしい
ある方だと思ってたのだが
3時間かけて山を周り終わり、素振りに移動した
ブンッ、ブンッ
もうバテてます。なんて言葉は死んでも言えなかった
次の訓練が私が1番嫌いな訓練だ
受ける時間は短いが、寒がりの私にとっては致命的な訓練……それは……
ザバァァァァ
寒い
寒すぎる
チラリと横を見ると師範もやっている
平然とした顔だ
集中
集中……
……
寒い
師範は、私が滝打ちが嫌いなのを分かっているからこれが終わったあとは必ず休憩を挟んでくれる
今日のお昼はおにぎりとたくあん。あと甘味におはぎ
そういえば、有一郎達にもそんなことを言われた気がする
……まぁ、リスは好きだけど
それから数年、私は毎日毎日訓練を続けた
走り込みの距離も長くなったし、素振りの回数も増えた。滝打ちの時間だって長くなっている
しかし、訓練の量に比例するように長く走ってもバテないし、素振りの速度も上がった。
滝打ちはまだ寒いが、やはり前より集中できる
そして、鬼殺隊に大事な呼吸。これも習ってしっかりできるようになった
そんな中、師範の言葉に私は固まった
私が強い?
なわけない
だって……師範と比べたらまだまだ……
そうだけれども……
もちろん、隣に有一郎達はいない。
嗚呼、こんなにも苦しいものなんだな
喜びを分かち合える友達がいないって