第59話

当日
76
2025/11/28 06:00 更新
朝、支度部屋にて。

鏡の前で、
ふわりとベールを整えながら深呼吸。


「信じられない……本当に、今日が結婚式なんだ」


そこへあなたの友達が、
ドレス姿の私を見て、思わず手を口に当てた。


「……めっちゃ綺麗」

「ちょっと、泣かないでよ〜!」

「だって剛くんと、あなたが結ばれる日なんて……」


あなたの友達は涙ぐみながら、
でもしっかりと私の手を握った。


「本当に大事にされてるの、分かる。
自分のことみたいに嬉しいよ。幸せになってね。」


ふたりの間に流れる時間は、まるで、
青春と人生が交差するようなあたたかさだった。

一方その頃、控室の剛と一成は。


「剛さん、今どんな気持ちなの?」


ネクタイを締めながら、ピンがニヤッと聞く。


「……正直緊張してる。でも、それ以上に嬉しい。」

「ですよね。あんだけ匂わせといて、
最終的にファンから奥さんだなんて。ドラマですか?」


俺は少し照れくさそうに笑いながら、
でも真っ直ぐに言った。


「野球の次に、大切な存在になった。
あなたちゃんがいなかったら、
ここまで来れてなかったと思う」

「剛さんがそう言うなら、間違いないっすね。」


そしてふいに、ピンがぽつりと。

「俺も…そろそろ、ちゃんと向き合ってみようかな。」

「…あなたの友達ちゃんか?」

「うるさいです。けどまあ認めますけど。」


男ふたりの会話は照れと笑いが混じりつつ、
友情と恋の深まりを滲ませる。


扉が開き、私が歩くその先には、
タキシード姿で待つ剛くん。

一歩ずつ近づくごとに、胸が高鳴り、目が潤む。

剛くんは微笑みながら、優しく手を差し伸べた。


「来てくれてありがとう。
これからは、ずっと隣にいてください」


誓いの言葉。指輪の交換。


そして


「あなたの笑顔を、一生守ります」
「あなたのそばで、一生愛し続けます」


拍手と涙の中で、ふたりは永遠の誓いを交わす。
あなたの友達のスピーチでは、
過去の思い出とともに、涙まじりの祝福が語られる。

「あなたは、どんなときも一生懸命で。
そんな彼女が今、世界で一番幸せそうな顔してます。
剛さん、どうか末永くよろしくお願いします」

剛くんの目も、そっと潤んでいた。

笑いと涙が混ざりあう祝宴。
そこにいた全員が、ふたりの幸せを確かに感じていた。

この日ふたりが誓った言葉は、
これまでの道のりすべてがあったからこそ、
真っすぐに胸に届いた。

あなたの友達の涙は、私の人生をずっと見てくれていた証。
剛くんと一成さんの友情は、ぶつかり合いながらも
本音で向き合う信頼の証。

愛と絆に包まれた結婚式は、
ふたりにとって一生忘れられない一日となった。

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