あなたside
ブーーーー
その音が少し聞こえた後、浦島坂田船の音楽が大きく流れ、うらたぬきさん達が次々と登場してくる。私の推しは〜〜かっこいい!!!!!
メイクも急いでやったから少し変なところもあるかなと思ったけど、全然大丈夫そう……!
周りからも大きな声が聞こえてきて、きゃーだのうわぁ…!!だの聞こえてくる。私もそうなんだけどね……!かっこいいから仕方ない!
おっしゃ、楽しむぞ〜〜!!!!
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時刻は午後7時。ライブの終わったあと、グッズの列とか並んでたらこんなにも遅くなってしまった。早く電車に乗って帰らないと……!電車のタイミングはかなりいい。ここから歩けばすぐ電車も来るだろう。
駅に着くと、見慣れた人がいた。真っ黒で自分から不審者ですよ〜って言ってるようなもんだ。
そうなのだ……私はあまりにも電車が分からない。普段、電車を使わないから山手線くらいしかわからない…山手線もどこの駅で止まるかすら分からない。
そんな会話をお兄ちゃんとしてると、電車が来た。沢山の人が降りて、沢山の人が乗る。私達もその中の1人だ。
というか、お兄ちゃんも電車にあまり乗らないのでは?いつも部屋にいるし!!1日部屋にずっといる時だってあるし。
私の方が家から出てるんだから私の方が知ってて当たり前だろう。なのに、私よりお兄ちゃんの方が電車のことをよく分かってる。
私なんて、色んな声が出せるくらいしかないのに!!って、いうかお兄ちゃんも色んな声出せるし。高いのに、案外低い声出せたりとか、女の子みたいな声出せたりとか。
うっ…寒い、、!やっぱり電車の中が暖かかっただけだったのか…。手と首元が一気に冷たくなる。少し風が吹いてるのも寒い。
お兄ちゃんの手は暖かい。意外に大きいし、私の手くらいなら十分暖まるだろう。お言葉に甘えて、私はお兄ちゃんの手を握る。
そんな話をしながら私はたちは帰路を辿る。駅から家は案外近いのですぐ着く…はず。はぁ〜寒い。早く帰ろ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。