仲間が増えたのは、俺たちがひとつ上の学年に進級した時。
新入生の2人は早い段階で俺たちと共に過ごすようになった。
後輩が2人もできてから、姫は笑うことが増えたような気がする。
みっちーのことも謙杜のこともよう可愛がってるわ。
まぁ、相変わらずアイツからの嫌がらせは終わってへんのやけど。
それから約一週間後、みっちーが連れてきたのが恭平やった。
どうやら去年も同じクラスやったらしいんやけど…
って感じで、あんま協力的やなかったんよな。
別に嫌ならやらんでもとは思ったんやけど、他の皆は手伝って欲しいらしくて。
積極的に声かけに行ってた。
みんなの説得に負けたんか、断るのがめんどくなったんかは分からんけど、
恭平は時々やけど顔を出すようになった。
かといって積極的に助けるわけでもないのだが。
それでも、恭平は姫に好かれてて。
恭平の感情のないその顔を見るたび、俺は心がもやっとする。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。