syp side
昔から1人でいるのが好きやった
ゲームしたり、寝たり、本を読んだりしとった日々
人と関わるのがどうでもようて、興味がのうて
別に『今から1人で生活しなさい』と言われても、
快く了承していると思う
高校に入学したての頃、弟ができた
正確には年下の従兄弟がうちに住むようになった
ワイからみたおばさんとおじさんが交通事故で
亡くなったから
うちで面倒を見るようになった
10個ほど下の弟のような存在ができた
面倒を見る、つっても、共働きの父母やった
やから、ワイが結局面倒を見ていた
学校に通いながら、家事もしながら、面倒を見てた
正直、ダルかった
なんで俺が、こんなガキの面倒みなあかんねん
俺には高校の宿題も、塾の宿題もある
なのに、こいつのせいで時間が潰れる
でも、別に適当に接しても、関係ないと思ってた
数年後、弟が8歳
うつ病になった
部屋に引きこもり、ご飯も食べなくなった
うちの親は心配すらせず、今日も稼ぎに行った
でも、俺はそんな弟に目を向けることができなかった
家の鍵が開いていた
いつも鍵を閉めていくのに
リビングの電気が消えていた
いつ弟が部屋から出てきてもいいように
いつも電気をつけているのに
弟は包丁で自分の指を切っていた
俺は必死で止めた
結局、警察沙汰になった
うつ病ということもあり、精神病院へ運ばれた
弟は経過観察でうちに戻ってきた
あんなにキラキラしてた目も、もう黒く濁っている
俺が委員会の仕事で帰るのが遅くなった日
夕焼け空が綺麗で、鴉もナいていた
家の鍵が開いていた
弟の靴がなかった
今までも何回かあった
どこに行っているか、予想はつく
...うちの近くの公園だ
どうせ、滑り台の上から落ちようとしているんだろう
なんにせよ、止めなければならない
だって
俺の大事な
弟なんだから












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。