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阿部「 っ… 」
「 ……阿部ちゃん?? どした?? 」
阿部「 あぁ目黒 、おはよ 」
「 おはよ…なんだけど… 」
阿部「 ん?? 」
「 なんかキツそうに見えたから… 」
阿部「 そんなことないよ 笑 」
「 そう?? だったらいいんだけど 」
撮影前2人で話してたんだけど 、急に阿部ちゃんが俯いて辛そうな表情浮かべたからちょっと心配で
本人は大丈夫って言うから 、あんま気にしなくてもいいのかもしれないけど…
「 なんかあったら言ってね 」
「 今日俺たち2人だけだし 、阿部ちゃんのこと守れるの俺だけだから 」
阿部「 ふふっ 笑 守るって大袈裟すぎ 笑 」
阿部「 ありがとね 笑 」
「 うん 」
スタッフ「 目黒さん 、阿部さんそろそろ準備お願いします 」
阿部「 あーはい 、わかりました〜 」
撮影までの時間も着々と近づいてきて 、いつまでも阿部ちゃんのこと気にしてても…って感じだけど 、やっぱり心配だし
かと言って気にしすぎて撮影に手を入れないのも絶対だめだから 、やばそうだったら俺が止めればいいじゃんね
スタッフ「 目黒さん 、阿部さん入られまーす 」
スタジオ行くまでも阿部ちゃんのことを気にしてたけど 、あんま違和感は無くて
本当にただの勘違いだったのかなって思い始めた
阿部「 ねぇそんなジロジロ見られたら恥ずかしいよ〜 笑 」
「 え 、俺そんな見てる?? 」
阿部「 うん 、怖い顔してずっと見てるよ 」
「 え 、嘘ごめん 」
阿部「 大丈夫だけど 、なんかあった?? 」
「 いやっ 、んーんなんもない 」
阿部「 そう?? ならいいけど 」
いやいや阿部ちゃんの事が心配で なんて言いそうになったけど 、もしほんとに俺の勘違いだったら阿部ちゃんに迷惑
しかも 、阿部ちゃん自身もあんまり気にして欲しくなさそうな感じだから 、せめて撮影中だけは撮影だけのことを頭に入れるようにした
「 阿部ちゃん…?? 」
阿部「 ん?? 」
撮影も中盤になってきた頃 、今まではあまり気にしすぎないようにしてた阿部ちゃんの事だけど
「 しんどい 、でしょ?? 」
腰に手をつきながら荒い息をして 、それにうっすら汗もかいてる気がする
阿部「 そんなことないよ 笑 」
阿部「 ほら 、撮影に集中しなきゃ 」
「 …でも 」
阿部「 …目黒 、ほんと大丈夫だから 」
「 …… 」
また阿部ちゃんに負けて 、阿部ちゃんのことは気にしないようにしようとしたんだけど…
阿部「 っはぁ… 」
「 もういいよ阿部ちゃん 、無理しないでよ 」
阿部「 目黒っ 、ごめっ 」
キツそうな声出して俺の肩に手を置いてくるから慌てて支えれば 、ごめん って
ごめんなんていいのに 、ただ甘えてくれるだけでいいのにさ
「 阿部ちゃん 、少し休む?? 」
阿部「 いや…撮影だけは終わらせたいっっ… 」
「 分かった 、でも阿部ちゃん?? 」
「 しんどくなったら絶対言ってね 、無理だけはしないで 」
阿部「 ふは 笑 相変わらず目黒は大袈裟だな〜 笑 」
「 俺本気なんだからね!! 」
阿部「 分かったよ 笑 ありがとう 」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。