第8話

かんがえごと。
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2019/06/30 13:31
私が結婚したのは、19歳の時でした。



父親の仕事の関係で、出会った方でした。







第一印象は…

驚く程、緊張されていました。



名前も、震えた声で詰まりながら答えたかと思うと、

2人になったとたん、なにか喋らないと、と焦ったあなたは、水をこぼしましたね。




あなたに会ってから、笑顔が増えた気もします。




でも…



いざ結婚、となると、私は戸惑ってしまいました。



だって、好きな人がいたからです。

近所に住む、同い年の人です。


その人は、私の初恋の人でした。













結局、私はお見合いをしました。


初恋の人は、思い出のまま。







そんな私にも、娘ができました。

可愛い、可愛い、一人娘です。







夫が病気で亡くなって、
私も病気になって。

そんな時、娘は、結婚を決めたと言ってきました。





どうしてでしょうかね。






良いニュースだと分かっていながら、
娘のことを何十年も見てきた私は、この結婚を疑問に思ってしまったんです。






「どう、お母さん、気分は」

「とっても良いわ、あと何十年も生きられそう」

「それは良かった」




何か覚悟を決めたような、顔で、最近お見舞いにくるんです。



「結婚の準備はどう?そんな私に構わず、二人の時間を大事にしなさいよ。」


「うん、ありがとう」






やっぱり娘は、何かを我慢しているのでしょうか?
Takumi
Takumi
男って一途ですよ









女だって、一途です。



一途ですよ。










…そうよね。

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