第2話

15年後
219
2024/04/01 15:27
 冬の朝 零陀小学校校門前

ら「うぅ〜、寒っ。マフラーしてきて正解だったなぁ」
 今日は、朝が冷え込んできたので絵斗にもらったマフラーをしてきてみた。いつもは大事にしまってあり、本当に寒いときにしか使わないのだ。今日ぐらいはいいよな。
白い息を吐きながら歩いていると
ト「猿山先生、おはようございまーす」
トントンの声が聞こえてきたと思ったらいつもの5人組が後ろから歩いてきた。
ら「おー、おはよう」
ゾ「なんや猿ぅ〜!今日はマフラーなんかしてきて!」
コ「あんま似合ってへんなぁ」
ら「うっさい!つーかゾム、猿って言うな!」
ロ「どうしたんですか、その赤いマフラー」
ら「あー、これはな、誕生日にもらったんだ。」
鬱「誕生日プレゼントってまさか奥…ゴホン!」
ら以外の5人全員「あ〜…(察し)」
ら「違うわ!」
コ「いやいや、そんな照れなくたってええじゃないですか!仲が良い証拠なんやし」
ト「そうですよ先生、是非お話聞かせてください✨」
ら「はぁ〜〜〜…」
もう説明するのも面倒くさいし、嫌だ。
ら「あぁもう、ほらほら!朝のホームルーム始まるから!ていうかゾム、今日は日直だろ?早く行かなくて良いのか?」
ゾ「あっ!ヤベッ!・・・まぁいっか、めんどいし」
ら「良くねぇよ!早くほら、皆も行けっ!」
そう言いながららだ男は5人の背中を押した。
鬱「え〜?もっと先生ののろけ話聞きたい〜」
5人は文句を言いながら、先生に押されていくのであった…

 
       放課後 6年一組教室

ガヤガヤ、ガヤガヤ
ロ「猿山先生さよならー」
ら「おお〜気をつけて帰れよ〜」
コ「おーいロボロ!にいちゃん迎えに来てはるで〜!」
コネシマが校門の方からこっちに向かって大声でそう叫んだ。
ロ「え?絵斗兄さんが?!」
ら「おいコネシマ〜。先に帰ったんじゃなかったのか〜?早く帰れよ💢」
ロ「先生、絵斗兄さん来てるらしいですけど、一緒に来ます?」
ら「ん?そうだなぁ、まだ仕事とか残ってるけど……
 久しぶりに会ってみるか」
そうして何も考えずマフラーを着けて外に出た。

        零陀小学校校門前
ぺ「おーい!呂戊太!こっちだぞーっ!」
刑事姿の絵斗が物凄い大声でロボロのことを手を振りながら笑顔で呼んでいる。
絵斗の近くに居たコネシマ「ちょっ、絵斗にいさん、うるさいっすよ…」
ロ「もー!兄さん、そんな大声で呼ばないでよーっ!」
ロボロも物凄い大声で返事をした。
ロボロの近くに居たらだ男「お前も大概だろうが!」
二人は校門についた。そこにはコネシマ以外のトントン、鬱先生、ゾムも居た。
ら「お前らもまだ帰ってなかったのかよ…」
ぺ「らだぁじゃん、久しぶり!いつも弟が世話になってます。」
絵斗はそう言いながら頭を下げた
ら「やめろよ、そんならしくもなi」
ぺ「うわぁ!らだぁ、俺があげたマフラー、まだ使ってんの?子供の時にあげたやつなのに!」
と、顔を上げた絵斗が嬉しそうに言った。
っ!!!!まずい!!
ら「おいっ!絵斗っ!」
その言葉を聞いて、5人が一斉に声をあげた
ゾ「え!にいさんがあげたやつやってん!?」
コ「奥さんにしてはあんま似合わへんのあげるなぁ思てたけど…絵斗にいさんからのやったんやなぁ」
ト「子供の時って…どんだけ大事にしてんねん(笑)」
ロ「絵斗兄さんったら……」
鬱「あーあ、奥さんだったら良かったのに…先生ののろけ話ききたかったなぁ」
ら「あーもう…だから嫌だったんだ…まぁ、絵斗がいるのに着けてった俺が悪いんだけど…」
ぺ「え、もしかして秘密だった…?
 なぁ〜んだ、俺があげたマフラーって知られるのが恥ずかしかったんだ!」
ら「は?ち、違うけど?!」
ぺ「っていうかコネシマくん!別に似合わなく無いでしょ!俺が選んだんだし!」
コ「んえ?あ、いや、まあその…言葉の綾ってあるじゃないすか?アハ、アハハハハ(汗)」
ぺ「まぁ、いいや。らだぁ!使ってくれてありがとうな!」
そう言って絵斗はニカッと笑った。
ら「はぁ…まぁ、あんま使ってないし」
ぺ「え!?そうなの!?」
ロ「だから僕達も知らなかったんだよ」
ぺ「もっと使ってくれてもいいのに…」
ゾ「ま、猿だしな。マフラーの巻き方に苦戦してあんま使ってへんのやろ」
ら「ゾムく〜ん????💢」
ゾ「ヤベッ」
ゾムは急いで走って逃げ出し、帰って行ってしまった。
鬱「あ、逃げた」
ら「あいつ〜。明日会ったら絶対殴ってやる。ほら、お前らも、とっくに下校時間過ぎてるぞ。早く帰りなさい!」
コ「はーい」
4人「猿山先生さよなら〜」
そうして5人は背を向けて歩きだした。
すると突然絵斗が振り向いて言った。
ぺ「らだぁ!またな!」
ら「おう。また。」
次会うときは、殺し合うことも知らずに、二人はそう言い交わした。

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