第3話

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2024/04/01 15:33


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真っ黒で何もない空間。小さい2つの穴から外が見えるだけ。
ら「あーあ、結局あのマフラーはあれ以降使わずじまいになっちまったなぁ…」
猿山は偶像の中であの日のことを思ってそう独りごちる。
ら「あんなの、もう処分されてるだろうなぁ…」



















       まあ、俺にはもう関係ない


















ザッザッザッザッ


・・・、近づいてくる足音がする。
2つの穴から外を覗いて見ると、そこには、例のあの赤いマフラーを持った天乃絵斗が立っていた。
ら「!」
まだ処分されてなかったのか…!?
最初は気づかなかったが、後ろにもあのいつもの5人がいた。でも、もうひと目じゃわからないほど大きくなっていた。
ら「あいつら…大きくなったな…」
いや、俺にはあいつらの成長を喜ぶ資格なんかない。そう思って穴を覗くのを止めた。
すると声が聞こえてきた。
ゾ「猿ぅ、戻ってこいよ…」
コ「あんたが居なくなってから毎日寂しいねん。」
ト「俺、あんたと同じ学校の先生目指すことにしたわ。」
ロ「また先生に体育教えてもらいたいなぁ。」
鬱「あんたがしたことは絶対に許されへん事やけど…もうそんなのどうでもええわ。薫が待ってるで?」
ぺ「らだぁっ!」
幼馴染のあいつの声は、涙で震えていた。
ら「っ!」
・・・、そんなの、俺だってそうしたい。だが許されない。許されてはいけない。
それでも、らだ男の手は届くはずも無いのに闇に伸びていた。すると、あいつの手と自分の手が合わさる感覚がした。



























クッ、ぅウ、グスッ、ううぅ…









   











         もう…戻れない…


















???「あの小童共に会いたい、そう望むか。」
ら「…?」
???「ならば一時の間だけ小童共に会うことを許そう。」
ら「!」


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