私は今、母親を亡くした
私にはまだ中一の弟がいる
これからは長女である私がこの子の母親がわりにならなくちゃいけない
私は大好きな彼に事情を話した
彼の優しさに触れ幸せな気持ちにもなったが頑張ろうと思う活力も持たせてくれた
それから私は高校を辞めた
弟を中学校に通わせ、悲しみに暮れ働けなくなったお父さんの代わりに生活費と弟が高校に行けるよう仕事をしながら家事もした
毎日が辛かった
やっと一息つけた時だった
周りから休めと言われてもおかしく無いほど自分はやつれていた
クマも酷く外見はもう酷い状態だった
そして母親が亡くなってから一年が経とうとする頃
私の携帯に一通の連絡が入った
仕事の連絡かもと急いでみるも蘇枋からのものだった
一通の連絡には"別れよう"の四文字
私はもう思い出すと母の死を伝えてからもう蘇枋と話すことはなかったし顔を合わせることもなかった
愛想が尽きたんだろう
仕方がない仕方がないとわかっていても私はずっと彼のそばにいたかった
私はあの時どうすれば今と彼の隣に入れたのかな_____
梶蓮 (梶くん目線です‼︎)
あなたの手には俺の予備の飴があった
俺は周りを見渡すともうすぐ街に入るところだった周りに見られると恥ずいから断った事にした
その後あなたは横断歩道がちょうど青になり走って渡ろうとしていた時
________ドン……ッ、
あなたは俺の目の前で信号無視の車に轢かれ死んだ
それから特に変わることはなかった
変わったことといえばちょっとした言葉遣いくらいだ
俺はあの時のことを後悔していた
あの時俺と一緒に帰っていればあなたは死なずに済んだのに
俺が断ったせいで、しかも少しきつい言い方だった
単なる中学生の普通の会話だった
俺は妙にその女の幽霊が気になった
噂を聞き"あの場所へ"と向かった
そしてある女が俺の前に現れた
『ねぇねぇ!』
『一緒に帰ろう!』
『本当?!ありがとう!』
俺は正直噂が本当なんだと驚いた
でも何故か顔が見えなかった見えてはいるけどはっきりは見えない状態だった
『なにー?』
『……………』
あなたは俺の家に着いた瞬間ゆっくりと姿を消した
そして微かに小さな声で俺に言ったんだ
優しい笑顔と言葉に俺はあの時の後悔と好きと素直にいえなかった自分への怒りに襲われた
next time↪︎
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。