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第1話

𝕡𝕣𝕠𝕝𝕠𝕘𝕦𝕖
518
2026/01/31 10:42 更新
朝の教室
周りのクラスメイト達の声
向けられた視線
広がる噂
私は確かにここにいるのに、居場所なんてないと言われているような気がした
きっと、「私なんていなくていい」
普通になれない私を、誰も必要としていない
そう、思っていた
本当は「普通になりたい」
目立たない、嫌われない、友達も居場所もあって
私はただそれだけを求めていた

誰かを愛したい、大切にしたいと思う
でもその気持ちを向けようとした瞬間
「迷惑だったら」
「嫌われたら」
そんな考えがどうしても頭をよぎってしまう
でもできるだけ苦しそうじゃないように
私はいつも笑ってる
大丈夫なフリをして、ここにいる




放課後の、夕陽が校舎を染める頃
教室に人はいなくなって
静けさだけが残る
私が好きな時間
誰の期待にも応えなくていい
誰の顔色も伺わなくていい
嫌われる心配をしなくていい
だから、いつもこぼしてしまう


白石澪花
白石澪花
普通になりたいだけなのに


その願いは、天に届くこともなく夕焼けに溶けていく
それでも___
同じ孤独を抱えている誰かが
どこか近くで同じ空を見ていることを
少女はまだ知らない



この物語は、独りで生き続ける少女が
誰かを愛せるように
誰かが愛してくれるように
自分の居場所を探す旅のお話

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