前の話
一覧へ
ピチョンッ
水滴が落ちる音と同時に、
僕は顰めっ面になる
今落ちた水滴は、
僕の血液だから。
……でも、兄はそんな僕を見て
目をハートにして、
僕の傷を撫でるのだ
……こんな生活が3年続いたんだ
死んでもおかしくはなかったよな
目を覚ますとそこは知らない天井だった
声が出る
体が痛くない
その体の状況に終始驚きを隠せない
名前は前と一緒……でもこの人が誰か分からない
____お兄ちゃんやで
そう、この時は思ってもなかったんだ
こんな親しい仲になれるなんてさ
コンテスト応募作品!













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!