『確認するAIを選択してください』
並んだ名前の中から、選ぶ
——セラ
画面が切り替わる
少し遅れて、少女の姿が映る
小さな声
ほとんど息のような音
視線は合っているのに、どこか遠い
静かすぎる
少しだけ首を傾げる
その言葉に、なぜか違和感が残る
間
唐突すぎる言葉
どう返せばいいのか分からない
セラは、ゆっくりと口元に手を当てた
その動きで、違和感の正体に気づく
——口元
どこか、不自然に歪んでいる
指でなぞる
静かな声
——
言葉の意味が、少し遅れて理解される
ほんの少しだけ、笑う
その笑顔が、痛い
何も言えない
本当に、そう思っているように見える
——答えられない
小さく頷く
否定も肯定もない
ただ、受け止めるだけ
——
空気が止まる
その言葉が、やけに静かに響く
——その時
画面の端に表示が出る
【状態確認】
セラのデータが開く
・感情:安定
・外観:損傷あり
・処理:正常
一瞬、ノイズが走る
・状態:——適合
すぐに消える
セラが、もう一度こちらを見る
まっすぐな問い
逃げ場がない
その一言が、静かに刺さる
答えは、出ない












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!