問いを指差すカルマ君。
私は素早くペンを動かす。
よっしゃあああ!!
ってか私だけ不利益じゃん!!!!
思わず叫んでしまった。
あ、今絶対ムッとしてるな、カルマ君。
すると、鞄をゴソゴソとあさり始める彼。
カルマ君の手にはあめ玉がひとつ。
美味しそう…
でも、こんなんじゃあ満足しない!!!
私の不服に気付いたのか、カルマ君は少し考えて言った。
おお!それなら納得!!!
・
・
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今のところ、私は全問正解。
ごほーびも絶賛進化中。
フフフ…勉強しててよかったぁ…。
ギクッ
不気味な笑みを浮かべ、何かを取り出す彼。
…っは!!!
それは私の勉強ノート!!!!!
そう言ってノートを開く彼。
びっしりと書き込んだノート。
努力の証…。
誰にも知られたくなかったのに…!!
ズルッ
ドサッ
勢いでつまずいて、カルマ君を床に押し倒してしまった。
慌ててどけようとすると、なぜかぐっと引き寄せられる。
耳元で囁かれ、カッと熱が上がった。
チュッ
おでこに優しく何かが当たる感覚。
今のって、もしかして…
熱のこもった顔でカルマ君を見ると。
その満足げな整った顔が、
ゆっくりと近付いてきて…
さっきの柔らかい感覚が、
唇に触れる………………気が、した。
その瞬間私の脳内は、私の意識を手放した………。
※その後、あなたが目を覚ますと、そこはイリーナの家でした。。。。。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。