昼休み、私はこっそり三年生の階に来ていた
三枝くんがダメなら、お兄さんはどうだろうと思ったから
体育倉庫の裏で見たこと、あれだって普通じゃないって私は思っている
普通のカップルが抱き合ってるとかじゃなかった、絶対に
この間見た三枝くんのお兄さんは、女の人の首筋に顔をうずめてるみたいに見えた
もし、三枝くんと同じで、ケガの跡に口をつけていたんだとしたら?
あの美人な先輩の姿を捜す
クラスなんて知らないから、端の教室から順番に見ていった
見つけられるか不安だったけれど、運良く三クラス目で私はお目当ての先輩を見つけることができた
三年生の教室に入ることはできないから、通りすがりの先輩に呼び出してもらった
不思議そうな顔をして、あの美人な先輩は廊下へと出てきてくれた
なんて言って声をかけていいかわからなかったから、とりあえずのぞき見したことを謝ってみた
けれど先輩は私のことなんて覚えていなかったようで
と小首を傾げた
その時、ポニーテールの毛束がさらっと揺れた
私の目は、その首筋に釘付けになった
白くきれいな首元は二か所だけ赤く小さなあざがあった
よく見なければ分からないほどうっすら
こんな所にあざなんておかしい
私がケガした膝とは違う
ケガの痕じゃない
ぞくっと背中が寒くなった
下手な演技していることも、あるわけないと思ってた痕が」あったことも、全部にドキドキしていた
先輩が申し訳なさそうにそう言ったとき、頭の中に稲妻が走ったように閃いた
先輩の青白い顔色。首筋の傷跡
最近保健室にやってくる貧血の女子生徒は美人ばっかりだって、のんちゃんが言ってた
震える声で聞くと、美しい先輩はそうかも、とうなずいた
先輩と別れた後も私はすぐには動けずに廊下に立ちすくんでしまった
to be continuited











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。