切島くんは私の事を庇うようにして、立っていて。
こっち側を向いている顔は、
少し痛みを堪えているように見えた。
でも、電気を受けながら、それでも1歩も引かないその背中は、
私の思い描く〝ヒーロー像〟そのもので。
すごい、かっこよかった。
ビリビリ………
上鳴くんの放電が終わったと同時に、
時間制限のタイマーがなる。
オ「ヴィランチームWIIIIIIIIIIIIIIIN!」
………勝った……?
切島くんの方をむくと、目が合った。
切島「碧翠!やったな!!」
目の前に出された切島くんの両手に
ハイタッチをする。
切島「………それと、____」
その切島くんの言葉を遮るようにして、
オールマイトが言った。
オ「お疲れ様!!君たちはモニタールームに戻ろう!砂糖少年と上鳴少年は………」
その言葉で2人に目をやる。
上鳴「ウェイ……ウェーイ……」
砂糖「う………お………お」
2人ともさっきとは別人の………
なんだか気の抜けた感じになってしまっていた。
『あはははっ!なんか似てる、2人ともー』
切島「個性使いすぎんと、あんなことになんのかよ」
『なんか、ww………上鳴くんの顔……wツボかも』
切島「おまww、笑いすぎだろww」
二人でしばらく笑っていると、
再びオールマイトから指示をされてしまった。
モニタールームに二人で向かう。
『あ、そういえば………さっき、なんて言いかけたの?』
オールマイトに遮られてしまったあの言葉。
切島くんはなんて言おうとしていたんだろう………。
切島「あぁ、あれは………」
少しだけ、言いずらそうに頭をかいてから、
「ごめん!!とありがとう!!
って言おうと………してたんだ」
ごめん と ありがとう ………?
切島「俺、耐えられるぜとか、最初に言ったのに………吹っ飛ばされちまって………。
最後の最後まで、全部碧翠に守らせちまった……。
そのことに対しての〝ごめん〟と〝ありがとう〟だな!!」
『うちらが助け合うのは、当たり前じゃん!
それに、私も最後助けてもらったからプラマイゼロ!!逆にこちらこそ、ありがとうっ!
あ、でも、〝ありがとう〟だけありがたく貰っておくね!』
切島「助け合うのは……当たり前、か……碧翠………やっぱお前………漢だぜ………!!」
切島くんが感動したようにそういうもんだから、
なんだか笑ってしまう。
『男じゃないってお・ん・な〜』
わざと強調して言うと、切島くんは笑ってくれた。
切島「あはは、わかってるって」
私も、〝漢らしい〟の意味、ちゃんとわかってるもん。
その後、私たちはほかの人達の戦いを見た。
色んな戦い方。個性の使い方。作戦。
たくさん、学べることがあった。
オ「お疲れさん!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし、真摯に取り組んだ!初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!」
梅雨「相澤先生の後でこんな真っ当な授業…何か拍子抜けというか」
オ「真っ当な授業もまた私たちの自由さ!
それじゃあ、私は緑谷少年に講評を聞かせねば!!!着替えて教室にお戻り!」
オールマイトは目にも止まらぬ早さで、その場から走り去っていってしまった。
私たちの初授業は幕を閉じた。
でも____
ここが私たちの、スタートラインだ。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。