第2話

幼馴染の距離
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2025/12/27 14:57 更新
翔太は人気者だ  。


ふと翔太を見るとほとんど周りに誰かいる 。


俺はあんな簡単に話しかけられないのに 。


時々翔太をご飯に誘う様子を見かけることもある 。


俺はちゃんと誘えたことほとんどないのに 。


翔太はすごいから 、 昔から周りに囲まれてたし 、


慣れたけれど 、 やっぱり悲しくて 。


俺らには幼馴染独特の距離がある 。


なんと言えばいいのかはわからないが 、


友達 、 親友とは違うような距離を感じている 。


だからこそ何かをすると翔太は照れる 。


他のメンバーとするときは何もないくせに 。


正直羨ましかった 。


普通に翔太と仲良くできることが 、 話せることが 、 隣に立てることが 。


別に俺らは不仲じゃない 。


でも俺はずっと寂しかった 。


ねぇ 、 わかってよ翔太 。


そう思いながら俺は今日も一人で遠くから、メンバーにもバレないように 、 翔太を見詰めていた 。


この感情が生まれる原因も全部わかってる 。


でも俺はそれを認めたくなかった 。


もうどうしたらいいんだろう 。


宮舘涼太
もうやめたい
小さな声で  、  ため息をつきながらそう呟いた  。


それに気づいたメンバーが一人 、
阿部亮平
舘さん?どうかした?
ため息をついてる俺を不思議がって聞いてきてくれる  。


あぁ 、 仲間の存在ってこんなにもありがたいものなのだな と改めて感じる。


でも 、 これは阿部に伝えるべきじゃない 。


俺が 、 俺だけが抱え続けなくてはならないものだから 。


だからごめん 、 今回は嘘つくことを許してほしい 。

宮舘涼太
あー  、  えっと  、  夜ご飯の食材買い忘れたなぁって
適当な言い訳をすると  、  阿部は
阿部亮平
そっかぁ  …  疲れてるんじゃない  ?  ちゃんと休んでね
そう優しく声をかけてくれた  。


なんだか申し訳なく思いながらも 、その後は軽く世間話をして盛り上がった 。


それから撮影を終えて 、 各々が帰っていく 。


俺は楽屋に戻る前に最近優しくしてくださっているスタッフさんと少しお話をしてから楽屋に戻ったから 、 もうほとんどのメンバーは帰ったと思っていた 。



ゆっくりと楽屋にドアを開けて中に入ると 、 たった一人だけの人影があった 。
渡辺翔太
あ、やっと戻ってきた。
なんで  ?


しかも俺を待ってたみたいな言い方、なんなんだよ 。


いつもはそんなことしないくせに 。


宮舘涼太
珍しいね  、  早く帰ればいいのに
とりあえず平然を装う  。


貼り付けた笑顔を浮かべながら 、 俺は荷物を片付けていく 。


翔太はしばらく黙り込んでからゆっくりと口を開いた 。

渡辺翔太
お前  、  何か隠してるだろ
さすが幼馴染といったところか  。


俺が阿部と話してたときに気付いていたんだろうな 。


でもこれは一番翔太には言えない 。


なんとかかわさないと 。


宮舘涼太
別に隠し事くらい誰だってするでしょ?
渡辺翔太
そうだけど…涼太辛そうじゃん
辛そう  …  そうか  、  俺辛そうなんだ  。


苦しそうなんだ 。


翔太にはそう見えてるんだ 。


せめて 、 翔太だけには笑顔で普通な俺が見えててほしかった 。

宮舘涼太
辛くなんてない  、  ごめんね  、  心配かけて。
俺もう帰るから
そう言い放って楽屋のドアノブを握ると  、  腕を掴まれた  。

渡辺翔太
何をそんなに抱え込もうとしてるの  、  無理に聞くつもりはないけどさ  、  俺そんなに頼りない  ?  幼馴染だろ  、  涼太のこと俺が一番見てきてるじゃん
そんなこと言わないでよ  。


翔太は強いよ 、 頼りなくなんてない 。


だからもうやめてよ 、 俺の気持ちが溢れ出るじゃないか 。


これが翔太にバレたら 、 苦しむのは翔太なのに 。


渡辺翔太
一人で傷つくな   、  頼って  、  涼太
そう言ってそっと俺の体は翔太の胸元に引き寄せられた  。


心臓がうるさい 。 聞こえていないだろうか 。


もう何もかも考えられなくなっていた 。
宮舘涼太
翔太にとって  、  俺って何なの  。  俺ずっと寂しいんだよ  、  翔太のことこんなに  …  こんなに見てるのに  、  俺ばっかりで  、  もう嫌だ  、  でも  …  ずっと翔太から目が離せなくて  、  辛い
思っていたことが次から次へと流れていく  。


終わったな と思いつつも自分の口を止められない 。


気づけば瞳から雫さえ流れ落ちてくる 。


翔太は静かに俺の背を撫でていた 。


俺がある程度落ち着くと 、 翔太はゆっくりと俺を離して言った 。


渡辺翔太
涼太に辛い思いさせてごめん  。  ねぇ  、  それ嫉妬だって  、  少しは期待していいんだよね 
そういうと翔太は俺に少しずつ近づいて  、  気づけば唇が触れ合っていた  。


頭が今起きたことに追いついていない中 、 翔太はくすりと笑いながら俺を撫でた 。


渡辺翔太
好きだよ  、  涼太
その言葉を何度待ちわびたことか  。


何度想像したことか 。


何度夢見たことか 。


嬉しくてたまらなくて 、 すぐに返したくなった 。
宮舘涼太
俺も好きだよ  、  翔太
そう告げて  、  俺らはそのまましばらくお互いのぬくもりを感じあった。

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