明日が体育祭という日のこと
その日の目覚めはあまり良くなかった
体が熱くて朝起きたら、カーテンの隙間から日光が当たっていた
そりゃ熱いわけだ
もう燃える寸前じゃんか
もうちょっと起きるのが遅かったら完全に燃えてた
そう考えながらカーテンを閉める
ほんとに、燃えなくてよかった
昨日泣きながら寝てたみたいで、目が腫れてる
最悪
まぁ、治せるけど
こんなんは吸血鬼なら誰でもできたこと
今は僕と同じ吸血鬼がいるのかは知らない
この時代は前世で僕が生きてた時代の1000年後で
その時点で吸血鬼の貴族は兄と僕と、弟、そして両親だけだった
だから多分、滅んでると思う
人間の中に吸血鬼の血が入ってる混血がいるかもしれないけど
その人らは少し八重歯が目立つな
ぐらいで吸血欲はないと思う
血も薄まってるだろうし
だから…誰もわかってくれる人はいないだろう
僕の苦しさは…誰も…
考えるだけで憂鬱な気分になる
今日は体育祭の服を探さないといけない
だから、今から探しに行く
きっと…城にあるはずだ
行き方はわかってる。そこに行くための言葉も
服も、城の場所も
全部知ってる
気がかりなのは…
僕が死んでからどうなったのか
それから、兄や弟が生きてるか
僕は凡ミスで死んだ
普段しないような凡ミスで
ハメられた
完全に計画を立てて✗された
貴族だから狙われた父も母も。
だから家族が心配
と呟いて財布を手に取り
フード付きの上着のポケットに入れる
その後僕は自分の足元に血で円を描き
円の中に入って呪文を唱える
これで、あの頃の自分の部屋に戻れる。
なにかのトラブルが起こっていない限り
城の、自分の部屋に
少しして、円を描いた血が光りだす
光ったら、その数秒後には城につく
だけど…前なら呪文を唱えて10秒以内には城についてた
光りだすまでに3分
明らかに遅すぎる
そう考えているうちに光が僕を包んだ
次目を開ければ城の自分の部屋
そう思いながら目を閉じた
雰囲気が変わったことを感じて目を開ける
そこは汚れた部屋だった
足元には古いながらもくっきり見える
血で描いた円
間違いなく。前世の
1000年前の僕の部屋
やっと帰って来れた。
自分の家に
小さな声でそうつぶやく
返事なんて返ってこないと思ったから
僕は洋服が入っているクローゼットの前に立ち
そして開ける
そこには
前世と変わらない状態の服が…
綺麗なままの服があった
すごく驚いた
部屋の様子からして
もう着れないんじゃないかと思ってたから…
嬉しくて少し微笑みながら
その中で、動きやすく、シンプルな1着を選ぶ
その服は僕が気に入っていた服
着心地もよかった
この服は母から貰ったものだ
その服を丁寧にたたみ
自分の腕でだいた
目的はこれで終わり…
早く今の家に帰らないと…
そう思い
1000年以上前に自分の血で描いた円の中に立ち
呪文を唱えて
目を閉じる
こんどは前世のときのように
10秒以内に自分の家に戻ってきていた














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。