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第19話

向かう場所
480
2019/08/07 22:24
先生
この問いは、√のついた数字を…
私
はぁ…
なんで、授業ってこんなに退屈なんだろう…
そう思っていると…
ピコン。
誰かからLINEが来た。
先生
末吉さん
私
え、は、はい!
先生
授業中は音を切っておくように
私
は、はい…
そういえば、忘れてた…
私が通知音を切ろうと、スマホを開くと…
えっ…
それは…秀兄からのLINEだった。
私は、音を切るフリをして…秀兄からのLINEを開いた。
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
やぽ
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
(’-’*)♪
いや、かわよ。
私(LINE)
私(LINE)
やっほー
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
今何の授業?
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
俺は地理(*´-`)
私(LINE)
私(LINE)
私は数学
私(LINE)
私(LINE)
真ちゃん今寝てる(笑)
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
あいつやベーな(笑)
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
ん?
私(LINE)
私(LINE)
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
あなた、真司郎のこと「真ちゃん」って呼んでたっけ?
秀兄鋭いな…
私(LINE)
私(LINE)
まあ、いろいろあって、そう呼ぶことにしたんだよ
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
へぇ~
私
秀兄、授業中にスマホ触ってて大丈夫なの?
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
あー、地理の授業面白くなくて、ほとんど寝てるかスマホ触ってるかだから、大丈夫(笑)
私
うちの数学も一緒(笑)
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
まじか(笑)
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
あ、チャイム鳴ったからまたな
秀兄(LINE)
秀兄(LINE)
(><*)ノ~~~~~
使う顔文字がいちいち可愛い。
真司郎
真司郎
何にやけとんの?(笑)(小声)
私
っ⁉
いつの間にか、真ちゃんが起きていた。
私
い、いつから起きて…⁉(小声)
真司郎
真司郎
あなたが俺の寝顔撮った時らへんから?(笑)(小声)
真司郎
真司郎
秀太くんとLINEしとったんやろ?(小声)
私
なんで知って…⁉(小声)
真司郎
真司郎
顔のにやつきで分かった(小声)
そんな恥ずかしいところを見られていたとは…
真司郎
真司郎
…羨ましいわ本当(小声)
私
…え?さっき何て言った?(小声)
真司郎
真司郎
なんもない~(小声)
私
えー、教えてよ~
先生
…末吉さんと與くん?
あ、やば!声ひそめるの忘れてた…
真司郎
真司郎
は、はい
先生
授業中の私語は禁止です
授業が終わったら、先生のところに来るように
私
はい…
この先生、スマホ触るのは注意しないくせに、私語厳禁って…
私と真ちゃんは、大人しく授業が終わるのを待った。



先生
…じゃあ、二人ともよろしく
先生は、スタスタと歩いて行った。
私
えぇー
真司郎
真司郎
これを印刷室まで運べと?
私達の足下には、山のように積まれた教科書やプリントが置かれている。
私
せっかくの休み時間が…(泣)
真司郎
真司郎
まあ、終わらんとあかんから、とりあえず運ぼ
私
うん…
私はなんとか持ち上げて、印刷室へ向かった。
私
うぅ…重い…
真司郎
真司郎
あなた大丈夫?
私
大丈夫じゃな…うあっ⁉
急にバランスを崩して、地面に倒れそうになった。
真司郎
真司郎
あなた!
……
…あれ、痛くない?
真司郎
真司郎
っ、あなた、大丈夫…?
私
っ、真ちゃん!
気づくと、真ちゃんが私の下敷きになって、地面に背をつけていた。
真司郎
真司郎
…良かった…無事で…
真ちゃん…
真司郎
真司郎
っ、ごめん、そろそろ苦しい…
私
あっ!ごめん!
私は急いで真ちゃんの上から退いた。
真司郎
真司郎
はぁ…ありがと
無理せんでええんやに?重かったら俺が全部持ってくから、あなたは軽いのにすればええし
私
…うん、ごめんね、真ちゃん
真司郎
真司郎
ええって
あなたが怪我するより全然いいし
やっぱり、真ちゃんは申し訳ないくらい優しい。
私達は、手分けして荷物を運んだ。

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