第68話

第66話
304
2024/04/07 12:00
ルリビタキ《-hotoke-》
……あなた
エーティ
エーティ
はい
ルリビタキ《-hotoke-》
(やっぱり…)
ルリビタキ《-hotoke-》
エーティ…って人にそっくり
エーティ
エーティ

会ったことがあるの?
ルリビタキ《-hotoke-》
まぁ
少しだけど、優しい人だったよ
エーティ
エーティ
でしょう
私の自慢の娘
ルリビタキ《-hotoke-》
……
ルリビタキ《-hotoke-》
え?
エーティ
エーティ
これじゃ別の意味ね
あの子が正真正銘の1代目というか
エーティ
エーティ
そう
だから私と同じ名前なの
ルリビタキ《-hotoke-》
…あなたもエーティ?
エーティ
エーティ
そうよ
ルリビタキ《-hotoke-》
似すぎ…もう見分けられない
エーティ
エーティ
そんなに若く見えるなら光栄ね
ルリビタキ《-hotoke-》
(若いです)
エーティ
エーティ
私は3人育てたけど
どうかしら?もしかして全員会った?
ルリビタキ《-hotoke-》
ルーシェとネーティ?
エーティ
エーティ
正解
エーティ
エーティ
中々いい子達でしょ
悪い子には育てられなかったわ
ルリビタキ《-hotoke-》
…本当にみんな良い人で
クローンじゃなくて普通に生きていけたなら
もっと別の場所で出会えていたなら…
ルリビタキ《-hotoke-》
…どうだったんでしょう。
エーティ
エーティ
みんな心の弱さがとても人間ね
私が弱いのが悪いけれど
ルリビタキ《-hotoke-》
弱くなんて…、すごく強い人たちだよ
エーティ
エーティ
そう?
人はみんな、弱さを持っていると思うわ
ルリビタキ《-hotoke-》
(……。)
エーティ
エーティ
だからこそ優しくなれるものね
ルリビタキ《-hotoke-》
…そっか
エーティ
エーティ
お喋りしてていいの?
私は戦う気なんてない
ルリビタキ《-hotoke-》
どうしてここにいるの?
エーティ
エーティ
ん?
ルリビタキ《-hotoke-》
…なんでユリと手を組んだ?
エーティ
エーティ
ああ…そういう事
エーティ
エーティ
普通にお付き合いしてたの
ある日突然ね…
エーティ
エーティ
実験がしたい…とか言い始めて
内容なんて知らされなかった
エーティ
エーティ
そして今よ
まさか自分がクローンの実験台にされるなんてね
ルリビタキ《-hotoke-》
逃げなかったの?
エーティ
エーティ
逃げられると思う?
ルリビタキ《-hotoke-》
エーティ
エーティ
私は普通の女性よ
戦い方なんて知らない。
エーティ
エーティ
隙を見て…とは思ったけど
もう犯罪に加担してしまった自分なんて
エーティ
エーティ
行く宛てがないのよ。
ルリビタキ《-hotoke-》
そんな清々しい顔して…
エーティ
エーティ
ほら
早く行きなさい
ルリビタキ《-hotoke-》
ひとつだけ
エーティ
エーティ
ルリビタキ《-hotoke-》
ユリを殺してしまっても…
エーティ
エーティ
構わないわ
エーティ
エーティ
もう…愛していたのも忘れた
ルリビタキ《-hotoke-》
わかった。
 パタン
 ピッ
ルリビタキ《-hotoke-》
何ともなかったよ。
クローンの実験台にされた人だって
ヒバリ
ヒバリ
『なるほど』
ルリビタキ《-hotoke-》
ちゃんと警察署の方に行ってくれそうだから、生かしといて
ヒバリ
ヒバリ
『了解』
 ピッ
ルリビタキ《-hotoke-》
……
ルリビタキ《-hotoke-》
(生かしといて…か)
自分が何者だって言うんだ。他人の命を指図できるほど…
ルリビタキ《-hotoke-》
(…やめよ。)
 カン…カン…
ルリビタキ《-hotoke-》
階段を上る音が近づいてくる。
ルリビタキ《-hotoke-》
ルリビタキ《-hotoke-》
(まずい…屋上でヒバリに応戦してもらう?)
ルリビタキ《-hotoke-》
(逃げ場はないぞ…どうする)
 カンッ
ルリビタキ《-hotoke-》
(ユリじゃありませんように…!!)








キセキレイ《悠佑》
…およ?
ルリビタキ《-hotoke-》
……。
ルリビタキ《-hotoke-》
なんだ……キセキか
キセキレイ《悠佑》
すまん
ルリビタキ《-hotoke-》
いいよ
好都合だ
キセキレイ《悠佑》
おう
ルリビタキ《-hotoke-》
ボスと連絡が取れなくなった。
キセキレイ《悠佑》
…おう?







イスカ《りうら》
…。
殺ってしまった。
イスカ《りうら》
(やっぱりまだ少し思う事はあるな…)
開かない扉は、上にストッパーがあるだけだった。
取り外しも簡単で、すぐ外に出れた
それでもやっぱり、一本道の廊下。
イスカ《りうら》
(ロビンはどこ行ったんだよ…)
イスカ《りうら》
(あとレイ…くそ。もう間に合わないか?)
イスカ《りうら》
(何やってんだ俺……)
幸い、そこまで怪我をしなかった。
身体はまだまだ戦える。
でも仲間の行方不明に生死不明。敵の死。
ボスと音信不通。
何から片付ければいいのかわからない。
こんな心じゃ、もう戦えなかった。

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