第21話

第20話 いつか(フォロ)
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2026/02/02 14:02 更新
あなた
フォロ!フォロ〜ッ!




あなたはフォロを追いかけて、廊下を走っていた




しかしフォロが医務室を出ていってからかなり遅れて出たせいでどこに行ったのかも全く検討が付かない
あなた
(フォロ...どこ行ったんだろ...)

息を切らしながら廊下を歩いていると、前から人が歩いてくる
グリス・ルビオン
あなたじゃないか
あなた
あ、グリス!
グリス・ルビオン
...フォロを探しに来てくれたのか?

廊下に居るというだけなのにピッタリと当てられた
あなた
そうなの、だけどどこにいるかさっぱりで...
グリス・ルビオン
アイツなら今自室にいると思うぞ。
あなた
そっか...ありがとうグリス
グリス・ルビオン
...あなた、さっきは悪かったな...。今だって無理しなくてもいいんだぞ


心配そうにグリスはあなたの顔を見つめる

あなた
無理なんてちっともしてないよ!誰も悪くない...だけど、傷つけたなら謝らなきゃ
グリス・ルビオン
そうか、分かった。
あなた
じゃあまた後でね!


そう言ってあなたはフォロの部屋へと向かった

グリス・ルビオン
(フォロは恵まれてるな...)


遠くなってゆく後ろ姿を見ながら、グリスはそう思った


廊下を走り、階段を駆け上がって、フォロの部屋に着く頃には息も絶え絶えになっていた





ノックをしようと手をドアに近づけるが、その手がまるで石像になったかのように止まる





コンコンコンと軽く叩くだけで良いのに、その扉は壁のように感じれて、フォロには届かないような気さえした



あなた
(もし...許して貰えなかったら...)


そんなことがふとあなたの頭をよぎる



ついさっきまでなんとかして話したかったのに、今は呼ぶことさえも億劫になってしまった



手を伸ばしたりしまったりしていると、突然ドアノブが回る


カチャ、と音が鳴ると同時に上を見上げるとバッチリと目を腫らしたフォロと目が合ってしまった





あなた
フォロ



数秒沈黙が流れると








バタンッ









大きな音を立ててフォロは扉を閉め、鍵をかけてしまった


あなた
えっあ!?フォ、フォロッ!!!まって!!



扉の向こうからは何の音もしなくなってしまった




辺りが再び静まり返る

フォロ
(なんであなたが居るんだよ...ッ)



フォロは部屋の奥へと頭をガシガシと掻きながら入って行く
あなた
(やっぱり...声も顔も...聞きたくないし見たくない...か)



心臓がバクバクとしていたのは落ち着き、代わりにズキズキと痛みがしみていくような気がして胸がきゅうっと締め付けられるような感覚に晒されていた
あなた
(それでも...言うこと言わなきゃ、ここに来た意味がない)
あなた
ね、ねぇフォロ...っ


決意を固め、彼の名前を呼ぶ
フォロ
...。


彼女の自分を呼ぶ声はあまりにも弱々しく、震えているように感じた
あなた
...フォロ、ごめんね。裏切ったつもりなんて...1ミリも無かったんだ...。


本当に無かった。自分はあの瞬間まで一度も人器として使うことはできなかったから

フォロ
...。



そんなことは分かってる。だって今までずっと見てきたから。




誰よりも素直で、真っ直ぐで、そんなあなたが裏切るような子ではないことを。

あなた
だけど...っそれでもフォロのこと傷つけちゃったよね、ごめんっ...ごめんね...


どうやって謝れば良いのか分からない、ただひたすらにごめんと言うことしか私には出来ない
フォロ
...ッ



自分が情けない。あなたは1ミリも悪くない。それは自分自身が1番分かっている。さっき言ってしまったことも、今していることもただの八つ当たり。




胸の奥が物凄く痛い




部屋の奥からは何も聞こえない。相変わらず辺りは静寂に包まれている


あなた
...っ
あなた
ふぉろ...ごめ、ごめんなさい...。私、ふぉろと仲直りしたいの...。ゆるしてッ...くれなくってもいぃ、から、顔が見たい...声が、聞きたいよぉ...ッ



静けさと、心臓の痛みがあなたの目に水溜まりを作り始め、それがボロボロと流れ出てゆく

あなた
ひっく...うぅ...ふぉろぉ...っ



廊下にはあなたのすすり泣く声と、必死にその声を抑えようと漏れ出る嗚咽が響いていた






















カチャン




















小さく鍵の回る音がすると、ゆっくりとドアが空く






あなたが見上げると、そこには自分と同じように目に涙を浮かべたフォロが立っていた







フォロ
...あなたっ、ごめん...あなたは何も悪くないんだ...ッ
フォロ
泣かせてごめん...不安にさせてごめん...ッ
フォロ
俺が悪かったから...泣かないでくれ...




自分よりも涙をボロボロと流しながら苦しそうにそう言うフォロを見て、あなたの喉がキュっと締め付けられる


あなた
ふぉろ...



フォロの横で握りしめられている拳にゆっくりと手を伸ばし、そっと握る


すると、力の入っていたフォロの手は少しだけ緩んだ
フォロ
あなた...俺の話、聞いてくれないか...
あなた
...うん




そうして2人はベンチのある外の広場へ向かった







2人で並んで座るベンチの間には少しだけ隙間があって、
その隙間は2人の心の距離を表すようだった







暫く沈黙が続いていたが、フォロがゆっくりと口を開く







フォロ
俺、掃除屋には斑獣を倒したくて来たんだ
フォロ
だけど、俺はギバーじゃないからできなくて、今はサポーターとして働いてる
フォロ
悔しくて堪らなかった。それでも、グリスやボスは誰でも物を大切にすればギバーになれるって言ってくれたから毎日頑張ってんだ。
フォロ
でも、キバーっていうのは不思議なもんでさ、モノを持っただけでいきなりギバーになれたり、人器を引き継ぐことでキバーになれたり、ある意味才能みたいな部分があるんだ。
フォロ
どれだけ頑張っても、いつまで経っても俺はなれなくて...



そう言うフォロの顔は歪んでいて、唇を噛み締めていた
あなた
フォロ...
フォロ
そんな時、あなたが来たんだ
あなた
私、?


前を向いて話していたフォロがこちらを向いて話す


フォロ
最初見た時は特になんとも思わなかった。だけど、ボスが突然拾ってきたって聞いて少しだけ気になってはいたんだ。
フォロ
最近特訓してただろ?
あなた
う、うん
フォロ
たまに見てたけど…あんまりあなた上手く行ってなかったよな
あなた
えっ見てたの!?なんか恥ずかし〜...っ
フォロ
別に恥ずかしがることないだろ?よく頑張ってるなって思ってたんだ。...頑張ってもできないあなたを見て、正直自分と同じような存在が居て安心してたんだ。きっと
あなた
安心...?
フォロ
そう、いつまで経ってもギバーになれないから...焦ってたんだ。俺
フォロ
だから、できないあなたを見て安心した。俺と同じだって。
フォロ
最っ低だよな、俺...。
フォロ
そのくせ先を越されたら八つ当たりしてさ、ダッサ...。
あなた
...そんな事ない


フォロの目を見て力強く言う

フォロ
...なんでだよ
あなた
誰だって後ろ見たくなって当然だし、ずっと頑張ってきたのに新しく始めた人にあっという間に越されたらムカつくのだって普通だよ
あなた
最低なんかじゃないし、カッコ悪くもないって私は思うよ。だって、フォロはずーっとずーーっと頑張ってきてる努力家なんだもん。
あなた
なんでもできる天才の人はもちろん凄いけど、私は努力できる人の方がよっぽどかっこいいと思う...っ!!
フォロ
...っ!
あなた
なんて、私が言えることじゃないかもだけど...笑
フォロ
...ホントだよ笑


さっきまで暗かったフォロの顔から笑みがこぼれる

フォロ
...ありがとうな、あなた。それから...ごめん
あなた
いいよ、私もごめんねフォロ。
あなた
...ねぇ、私と約束しよ?
フォロ
約束?
あなた
一緒に頑張るの、どんな事があっても。私も正直まだ力のことよく分かってないし、今使い方も何も分かってない...。
あなた
だから、一緒にこれから強くなって2人で凄いギバーになろ!それで、斑獣倒して皆のこと守れるように
あなた
ねっ!


満面の笑みであなたは提案する。そんな言葉とあなたの笑顔にあてられて不思議と顔が緩む

フォロ
...そうだな、よしっ!頑張ろうぜ
あなた
じゃあ〜約束の指切り!
あなた
ゆ〜びき〜りげ〜んまんっ
フォロ
うーそつーいたら...
あなた
嘘ついたら...針飲ませるは現実的じゃないから...
フォロ
そこちゃんと意味考えるのかよ笑
あなた
考えるでしょっ!
あなた
ん〜...じゃあ相手のお願いなんでも聞く!
フォロ
お?言ったな???
あなた
言った〜!!!笑
フォロ
じゃあ...















ゆーびきった!

























あなた
約束だからね!
フォロ
約束な
フォロ
(一緒に強く...か。)

























いつか




















                                倒すだけじゃなくて





























                                  守れるように
























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