桃side
「俺たち、最強じゃん」
何度も言ったね
いるまの顔がだんだん明るくなっていく感覚や
だんだんピアノの音が合わさっていく気持ちよさ
毎日会えるという尊さ
全てが、最強へと繋がった
文化祭本番の1週間前
俺らの曲は完璧な形で完成した
初めて会ったあの屋上で
ハイライトのない、今にも消えそうな君を見て
俺は救えたのか、分からないけど
ここまで成長して
ピアノを見せて
練習しまくって
いるまがゆっくり、窓へ向かった
俺に顔を見せないようにいるまは涙を吹き、笑顔を見せた
小さな窓から夕日が広がる
そうだね
俺も弾きたい
いるまが帰っていくのを眺めた
俺だって弾きたい
いるまといたい
だけど、、
…まぁいいや
俺は荷物を持って音楽室を後にした












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!