前の話
一覧へ
「廻」──それは、
妖怪、獣人、サイボーグ、そして神格にまで至る“人ならざる者”が、闇と光の狭間を跋扈する街。
魔術、呪術、逸脱した化学、説明不能の超常現象……。
それら禁断の力を独占し、支配する巨大企業が乱立し、
互いを食い合うように抗争を繰り返す。
企業は優位を保つため、己の牙として「スパイ」を雇う。
目的はただ一つ──他者を蹴落とし、頂点を奪い取ること。
そして今、
その街の片隅に生きる、一人の少年の物語が幕を開ける──。
視界の中に警察専用外部強化型戦闘用装甲を着た警察が7人ほどいるだとか、
銃を乱射してる暴動の犯人がいるのとか、周りには異形の怪物だとかロボットだとか、
空には謎の飛んでるミミズだとか浮いてるだけの鉄塊とかがあるけど...
「廻」この街の名前
僕はひょんなことからこの街で暮らしている
この街は控えめに言ってもおかしい。
ここにこれば世界中で議論されている「おかしい」の8割は目にすることができるだろう
これはそんなおかしい街で普通に生きる僕の日記のようなものだ
ほらね。意外とこの街もふつうだ
ふつうに歩けるしふつうに話せる、ふつうに考えられるしふつうにバーガーセットを頼むことができる
ただちょっと、ちょっとばかしわからないものが多いだけ
16年前、この街を揺るがす大きな事件が発生した
とある企業が保有していた半神の魔獣が暴走。その企業と提携を結んでいた特別なスパイが2名出動
その結果、廻第3・4市のほとんどの地域が壊滅的な被害を被った
さらに出動した2名は魔獣と相打ちに、街全体で見てもとんでもない被害が今いるバーガー屋周辺でおきたのだ
その時だった
ガシャァァァアアアン...という轟音と共にポリアーマーがこっちに向かって突っ込んでくる
3メートル弱の合金の塊だ。ぶつかったら確実に死ぬだろう
ガッキィィンンン...
目の前で止まった塊と人影が一つ
顔をあげると、ポリアーマーを刀..?で止めてる女の子がいた
綺麗な青緑の髪と目が光る、いわゆる美形の子だった
機械声帯から発される独特の声が聞こえる
避難所にて
避難所の出口を抜けた
街はかろうじて形を保っているものの、目に見える大半の建物が壊れている
パァン...
僕はそのへんで倒れてたチンピラから拳銃を抜き取った
目線の先にはさっきの人たちと丸い大きなロボット
直径は4メートルほどあるだろうか。球体でところどころからアームが生えている
レーザーをよけながら彼女は言う
ミサイルがこっちに飛んでくる
その瞬間、黄色のジャケットが妙に似合う1つ目のロボットに抱きかかえられ、僕は宙を舞った
青緑の人が攻撃していた箇所からアームが増設されていく
言い終わる前に
ドンッ..バチバチ
発砲音と共にロボットが動きを停止した
僕は拳銃からマガジンを引き抜く
淡く水色の光を放っていた
この街で「色」が付くモノは特別な力をもつ
その力は多種多様で生き物だけでなく物体にも宿ることがあるのだ
そんな色を視ることができる人たちが一定数存在する
青緑い人が黄色のジャケットの人に耳打ちした
なにか面白そうに、考えるようにリヴィアが顎に手を添える
レイナさんは悩んでいるような泣きそうなような顔で空を見上げた
今日もこの街は白みがかった分厚い雲と霧で覆われている
目を合わせたまま頷く
声が震える
無理もない。嘘をついていたとはいえ16年の付き合いなのだ
..遠くで警察車両のサイレンが聞こえる
二人はぴょんと近くの建物の屋上までとんだ
遠くで光るビルがまぶしい
ピョーン
3人は夜の闇に姿を消した
前言を撤回しよう
これはこのおかしな街で生きる僕の、ちょっぴり特別な。日記のようなものだ












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。