第5話

個人面談~重岡編~
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2021/05/24 03:35
シゲ
じゃあ、まずは俺から


急遽、部屋の隅をパーティションで区切って、面談スペースが作られた。




…ここで2人きりで話すの?




考えただけで、心臓が爆発しそう。



シゲ
で、俺の役のイメージは、あなた的にどうなん?
あなた
重岡さんは、サラリーマンの予定です。
シゲ
サラリーマンかぁ…
あなた
でも、今までの役のイメージとは違って、適当に仕事してる人で
あなた
とりあえず生活のためにサラリーマンしてるけど、本当はミュージシャンを目指してて
あなた
夜な夜な路上ライブをして、夢を追いかけてる設定です。
シゲ
あなたのイメージする俺ってそんな感じなんや
あなた
ダメですか…
シゲ
いややなくて、おもろいと思って
あなた
私、重岡さんの作った『間違っちゃいない』がすごく好きなんです。
シゲ
ホンマ? 嬉しいわ。
あなた
今回のヒロインは仕事と恋に挫折して、心機一転、シェアハウスの管理人として頑張ろうとやってくるんです。
あなた
で、重岡さんの『間違っちゃいない』を聞いて、涙を流す
あなた
そんなシーン入れたいんです。


重岡さんが優しく微笑む。


あなた
深夜帯に疲れた人が見て、『明日も頑張るか』って、そう思える話にしたいんです。
あなた
ジャニーズWESTはそんな『人生の応援団』なのかなって。
シゲ
俺らのこと、そんなに真剣に考えてくれて、ありがとう。
あなた
重岡さん的にはどうですか?
シゲ
“シゲ”って呼んでくれない?
あなた
シゲ…ちゃん?
シゲ
まぁ、今はそれでもええか
シゲ
ええと思うよ。ストリートミュージシャンって楽器使うん?
あなた
ええ、キーボードがいいかなって思ってます。
シゲ
キーボードで地べた座ってかぁ…
シゲ
なんか、かっこええやん。



良かった、気に入ってもらえたみたい。


淳太
お~い、シゲ。そろそろ次に回してや、時間なくなるで
シゲ
わかったー。


外のメンバーにそう返事すると


シゲ
なぁ、スマホ出して


と言った。



訳も分からず、スマホを出すと



シゲ
俺の連絡先、入れておいたから
シゲ
今度、2人きりで会わへん?


と、いたずらっ子の瞳で私を見る。


シゲ
あなたのこと、もっと知りたいねん。


耳元でそう囁くと、立ち上がり、



シゲ
次の人、どうぞ~


と、出て行った。


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