江戸川乱歩・喧嘩ネタ
「そうやってすぐ相手のことを推理して事実に押し込めようとする。何?乱歩くんは感情がないの?」
「……そんなこと云って無いでしょ、あなたちゃんは結構短気だよねぇ」
些細な苛つきからだった。二人の喧嘩が始まってしまったのは。
「いやいや、相手のことを判ってるからって云って善い事と悪い事が在るでしょう?子供みたいな事云わないで。」
敦は知っていた。殺人事件の解決に駆り出される乱歩と彼女の喧嘩の種は、今回の被害者にあると。
そして、ハラハラしだすのは国木田も同じだった。
嗚呼、矢張り。
国木田を見た敦は思う。何方も悪くない喧嘩の時は、きっと乱歩が彼女を諭すのだろう。云い返せない程に。
社内の半数以上が胃を押さえる中、一人楽しげな表情を浮かべてその様子を眺める男が居た。
太宰だ。
「太宰さん……矢張り社長をお呼びして乱歩さんを止めた方が……」
「ん?乱歩さんを止めるのかい?なんで?」
「いや、いやいやいや、此処は止めなきゃあなたさんが可哀想では……?!」
「嗚呼、そっか。敦くんは見たことが無いのかな?見てるといいよ、面白いから」
「ハ、ハァ?!」
まぁまぁ、と宥められる敦は、其の行方を見届けることとなったのだが……。
「ねェ聞いてんの?何時も云ってること、理解しようとしてないの其方だよね?嗚呼ほら、だんまり?君の其れ見てると本当に苛つくんだけど?何か云いなよ?」
「……………」
黙りだし無視を決めだしたのは、乱歩の方であった。
っていう普段温厚な夢主と口達者な乱歩さんが喧嘩の時は逆転するっていう話が見たーい✋🏻












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。