伊達side
萩原がこの世界の案内を自ら立候補してから数時間。
既にいろいろな場所を回っており、
ここら周辺で最後だろう。
それはこっちに早くきた方が悪いのではないか。
そんな少し無駄と言っていいような口論をしながら次の場所に移動する。
次は……あぁ
現世の扉、正式名称は
”黄泉比良坂”
『この世とあの世を繋ぐ場所に扉を建てました!』なんて感じの扉だ。
名前の通り、扉を通ればあっちの世界に行けるし、黄泉比良坂付近に行けばこっちの世界に戻って来れる。
まぁ、戻る時に少しだけ”代償“もあるが…時々…いや中々みんなも外に出ているだろう。
神聖というか、なんというかわからないところの内装(?)の話をされても…
その質問を俺らに投げかけるな
それはマジで知らん。
そう話しながら、扉に手をかける。
普段は、その扉は開かなくて、触れるだけで下界に降りられる。
はず。
そのときだった。
パコーン!
そんな効果音が聞こえるように降谷が扉に飲み込まれていった。
その流れのまま、諸伏も飲み込まれて____って
そう声をかけても、手を離さない。
クソッ、道連れにするつもりか____!
なら、
1人でも多く、生贄として連れていってやる_______!
No side
チュン…チュンチュン
少し重たく思う瞼を開けた。
先程まで、少し薄暗く冷えている場所にいたせいか、此処の明るさに目が窄み少し眩暈がする。
周りには先程まで隣にいた4人もおり、全員目を覚ましたばかり、と言う所だろう。
足元にはアスファルトがひかれており、先の方には点字ブロックが敷き詰められている。
目の前の建物には、テレビがついておりとあるビールのCMをやっている。
そうして、隣には大勢の人々が行き交っている。
自分でも渋谷と言っていたのに、その言葉に“元”爆発物処理班の2人がキレ始める。
何故、自分が“実態を持って”この場にいるのか?
そんな思考をすぐに放棄したのか松田に言い寄っている。
言葉を遮るように、力強く腹に
クリティカルヒット。
ボコッッっていう効果音が似合うだろう。
急に殴り出したかと思えば、自問自答をして頭を抱えている。
側から見たら圧倒的な変人。いや…変質者だろう。
そう2人に新たな提案をかけている。
諸伏の額には、冷や汗が少し滲んでおり所々の所作から焦りが滲んでくる。
諸伏自体も今の状況に困惑しているのだろう。
そんな、伊達の言葉を聞いた4人は、急いで近くのビルの中に入っていくのであった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。