ワースside
兄貴に呼び止められたあと、また父親と同じ事を言われるのかと思うと自然と恐怖が芽生えた
少し震える声で、今の顔を見られたくないから顔を向けずに声だけ返した
けど、兄貴から来た言葉は罵倒じゃなくて、
……思わず耳を疑った。
励ましの言葉。兄貴らしい不器用で少し言葉を選ぶような言い方。
そんなの少し信じたくなくて、目を逸らした。
冷たい返事を少し返して
部屋に戻った。
今までのずっしりと重い鉛が少し軽くなった。
そんなに…“兄さん”に認めてもらいたかったんだな…
あなたside
陽の光が眩しい…、朝か……
まだ眠い、けど起きなければ。今日も学校はある。
めんどくさいとは思わない。強いて言うならヒーロー基礎学っていうのがめんどくさい
ヒーローになる気は無いから。なんでヒーロー科にいるか、答えは簡単。相澤が担任だから、相澤はいうなれば見張り
願わくば、早くイーストンに帰りたい
リビングに行けば、もうオーター兄さんは食べ始めていて、ワース兄さんはまだ食べ始めていなかったから、座って、一緒に食べた
オーター兄さんは俺達より早く出ていくから、時間がなかったんだろうな
ワース兄さん、昨日より何かスッキリした顔のような気がする
なんでだろう…認められたの?
俺はまだ認めてもらってないのに、ワース兄さんだけ認められたの?
嘘だよね…俺も褒めてくれるよね……そんなはずないよね
そんなこと考えてちゃダメだ……
ダメだから、早く学校に行こう…大丈夫……ただの思い込みだから
早く……“兄様”と学校に行こう
何事もなく、学校に着いた。今日は久しぶりに……何も話さなかった
黙って一緒に行って、黙って学校に入って教室のドアを開ける
そしたら……なんかいっぱい人がよってきた
やっぱり女子は苦手だな。
結局顔目当て、でしょ?
ていうか……誰かも知らないし…普通名乗らない?
ワース兄さんが止めてくれたけどさ…
……気にせず席につこ、折角ワース兄さんが道を開けてくれたんだしね
今日は……普通の授業なんだっけ?それがいいんだけどね…
席について、参考書を開けて、ワース兄さんも俺も勉強していたら
1人の男子が俺たちに話しかけてきた
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!