そのあとは普通に帰った
眠かったし何より疲れた
環境が違うっていうのも多分ある
少し勉強して、訓練してから寝ることにしよう、今日もワース兄さんに勝てなかったから
クラスの一番になれなかったから
オーター兄さんはまだ居ない、多分仕事中。
教師っていうのも大変なんだな
ワース兄さんと帰ってきて、それぞれ部屋に戻って勉強する。
訓練も一人でやる、何をやるか…
素早く魔法を出す練習とか、箒のスピードをもっとだす練習とか、正確な位置に撃てるように練習したりする
3時間くらいやって、お風呂に入って部屋に帰ったら
いつの間にかベットに吸い込まれて、眠りについてしまった
ワースside
疲れたんだろうな、このままにしておくか
おやすみ、いい夢を_____
ご飯の時間になってリビングに来てみたら兄貴も帰ってきていた
あなたがいないから気まずい
特に兄貴とは仲が良くないから
何も話さないけど、今日の1位になれなかったことを責められたらどうしよう
価値が無いと蔑まれたらどうすればいいんだろうか
早く…食べて、上に行こう
あ、やばい_____
オーターside
明らかにワースの様子がおかしい
話さないのは元々だが、今日はもっと何か違う…
怯えているような感じだ
なにか今日あったのだろうか…
思い当たる節は1つ…
体力テストのことだろうか。
1位になれなかったからそれを自分で責めていないだろうか
ずっと親のせいで“1番”にならなきゃ価値がないと言われてきた
クラスや学年なんかじゃない。学校単位での“1番”
そんなクラスの中でも1位になれなかったことをずっと責め続けてるんじゃないか
それじゃあ、前と変わらないじゃないか。
ここにいれば価値に囚われないかと思ったがそう簡単には行かない
だったら少しでもそれを取り払えないだろうか
そう思った時、口が動いていた
びく、と少し肩を震わせ、ワースは返事をした。
まだ怖いだろうか。そうか、怖いに決まっている。
私が声をかけることで、また父と同じことを言われるんじゃないかという恐怖に。
ごめんなさいという罪悪感が心を駆け巡る
けれど、その一瞬の我慢で少しでも“それ”が取り払えるなら
許してくれないだろうか
励ましの言葉は私には分からない
だから精一杯のお疲れ様を
あなたに届けたい
あなたもワースも
よく頑張りましたね _____
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。