第2話

弐。
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2026/02/04 10:04 更新








始業式が終わり、生徒たちは整然と体育館を出ていった。








ざわつきはあるけれど、浮ついた空気感はない。








この学校では、新学期という言葉に期待を抱く生徒は少ない。








私も中也と一緒に体育館を出て、クラス分けを見るために、校舎に入る。








人多、、、。








掲示板の前に人だかりができていたのだ。









私達はその隙間から、文字を追う。








この学校は一学年五組制。
 
S組、A組、B組、C組、D組。
 
技術、能力、精神状態、忠誠心――
 
すべてを数値化した結果が、そのままクラスになる。

 
各組約四十人。
 
全校生徒は六百人ほど。
 
その中で、S組に入れるのは「使える存在」だけだ。







(なまえ)
あなた
ーーあった。








私の名前は、上の方に。








S組 4番 円地 あなたの下の名前








わかってはいたものの、少しだけ胸を撫で下ろす。








すると、隣で中也が小さく鼻を鳴らす。








中原 中也
中原 中也
だろうな。ニヤ


(なまえ)
あなた
何言ってるの。
(なまえ)
あなた
中也もでしょ。


中原 中也
中原 中也
ったりめぇだ。
中原 中也
中原 中也
大体、この俺がーーー


(なまえ)
あなた
はいはい。そうだねぇ。


中原 中也
中原 中也
おい、聞けよ。








中也はともかく、ただ、当然の結果として受け入れておこう。








その時、背後から間延びした声がした。







太宰 治
太宰 治
ーーーへぇ。
太宰 治
太宰 治
三人揃ってエリートコースか、
太宰 治
太宰 治
優秀だね。


(なまえ)
あなた
げっ、太宰。








いつの間にか背後に立っていた太宰が、私の肩に手を乗せる。








勿論、太宰に肩を触られるなんて、Gを触るくらい嫌なので、即座に払い除ける。







中原 中也
中原 中也
ーーーお前もか。太宰。








中也が露骨に嫌そうな顔をする。








わかるよ、中也。そんな顔もしたくなるよね。







太宰 治
太宰 治
失礼だけど、僕も全く嬉しくないよ、中也。
太宰 治
太宰 治
それにも関わらず、爽やかスマイルを保っている僕の方が、
太宰 治
太宰 治
誰かさんより大人だよねぇ。


(なまえ)
あなた
(馬鹿だなぁ、)


中原 中也
中原 中也
はぁぁぁ?!
中原 中也
中原 中也
もういっぺん言ってみろ、クソガキ








この時点で、嫌な予感しかしない。








二人が言い合いを始めるのは、いつもこうだ。








どちらか一方が挑発し、どちらか一方がムキになる。








いつもなら無視しているのだが、今日はそうはいかない。








なんてったって掲示板の前だ。








こんなところで、喧嘩をしてみろ。めんどくさいったらありゃしない。







(なまえ)
あなた
教室、行こう。








痺れを切らして、二人の間に割って入り、教室へと歩き出す。








どうせ止めても無駄なのだ。かえって、怪我をする。








なら、私が二人を誘導すればいい。







中原 中也
中原 中也
あっ、ちょ、あなたの下の名前、!


太宰 治
太宰 治
ほら見ろ、中也の子供っぷりに呆れてるじゃないか。


中原 中也
中原 中也
お前が余計な事言うからだろーが!!








背後で始まる、いつものやり取り。








些細な言葉尻を拾っては、火花を散らす。








一年前、入学した頃からずっとだ。









性格が合わないなんて、生易しいものじゃない。








だけど、不思議と、相性が悪いとは思わないのだ。







(なまえ)
あなた
(むしろ、私の方がーーーーー。)








私は溜息をつくことすらもやめて、無言で廊下を進む。








二人が着いてきているかなんて確認しない。








どうせ、最終的には着いてくるのだから。







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