いきなり、そう声をかけられた。
ちょっと急にそれは失礼じゃないかなぁ!?
その子はどうやら、救沢モルちゃんと言うらしい。
そう聞けば、彼女は少し迷ったように視線を彷徨わせてから、一方に視線を向けた。
視線の先にいたのは、二人組。…その内の片方は、知ってる子だ。
視線に気がついたのか、その子たちはこちらに近付いてきた。
そんな話をすれば、彼女たちはなるほど、と頷いた。
女の子─クリオネちゃんの言葉に、わたしたちは顔を見合わせる。どっちから自己紹介する?え?わたしから?うん、わかったよ!
最後の言葉に、マシラちゃんは一瞬固まった。
それはそう。
次に視線を向けられたモルちゃんは、少し気まずそうにすい、と目を逸らした。
名前を呼ばれたクリオネちゃんが、不思議そうに首を傾げる。花嫁のようなショートベールが、ひらりと揺れた。
クリオネちゃんは、一瞬きょとりとした表情をしたあと、その顔をふわりとほころばせる。
モルちゃんの黄緑色の目が、クリオネちゃんを捉える。
クリオネちゃんが頷いたことに、モルちゃんは驚いたような顔を見せる。
けど、その後に続いた言葉に、思わず唖然とした。
全員が、唖然としていた。
ちょっと三人ともそんな目で見ないで!?
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。