第84話

〘番外〙母親としての歩み
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2025/01/09 09:00 更新
ピロン♪
テーブルの上に置いていた携帯電話の通知が鳴る。





宙内颯李
ガチャ)今日洸汰達と一緒に行くからもう今から早めに出るけどー……って、メール?










晴来母
ええ。今月も変わらずに、ね



新たに送られてきた近況報告を読みながら、彼女は一緒に添付されてきた数枚の画像をタップした。











宙内晴来
母は基本放任主義みたいなものなので……





ヒュッという息が詰まる音が自分から出たのだと気付いたのは、その言葉が届いてから数秒固まった後だった。



”神野の悪夢”で失われた平和の象徴が家に来て、全寮制になるという説明と謝罪、そして同意をという話。
雄英に入ってから一人暮らしをしていた晴来せいらが久しぶりに帰ってきた日でもあった。
しかし、そんな娘が放った一言に、呼吸を忘れ目を見開く。
俯いていたから、誰もそんな様子には気付かなかったけれど。





ショックでなんかじゃない。逆だ。

久しぶりに帰ってきたという娘の顔を未だ一度も見ようとしない女を、”放任主義”の一言であっさり済ましてしまったその磊落さに、己の醜さを一気に叩き付けられた。










晴来:«ごめん»



夫が死んだ翌日の夜、病室で目を覚ました私に届いたのはその一通のメールのみ。
面会は、病院側が許可しなかったので。

その文字を見ただけで空っぽの胃の中身を全て戻した。
その出来事なんて、ほとんど鮮明に覚えてなどいなかったのに。
医者は様々なショックで脳が意図的に忘れていると言っていた。一種の防衛本能らしい。心底どうでもよかった。



そこからはひたすら入院生活。
晴来には一切会わなくなった。



宙内颯李
なんでせいらちゃんにはあわないの?
なんでせいらちゃんだけむしするの?



あの日あの場に居たらしい颯李そうりは丸々記憶が無いらしい。それも防衛本能だとか。それは、少しほっとした。
その内颯李も来なくなった。



晴来祖父
面会許可だけでも出したらどうじゃ
何があろうとお前があやつらの母親だという事実は変わらん



言葉に反してその目は、哀れみの目に痛ましいものを見る目に、同じくらい自分も苦痛を味わっているかのような目だった。
正論だった。わかっていた。
このままじゃ駄目だと思わない日はなかった。
いや、だから、でも、わかっていた。











あの陽介さんだったナニか・・・・・・・・・・を一瞬で葬った時点で、私が今まで認識していたあの子は何時からかあの子晴来じゃなかったのだと、気付かされてしまったのだから。
















































晴来母
雄英は……この子が行きたいと言って決めた高校です





情けなかった。この現状を変えたかった。





晴来母
そう…………一言、言ってくれたんです
久しぶりに。自分の、ことを





十割こんな私に気を使ってだろう。
メールもあの一通から一度も来なかった所に、三年ぶりに、«雄英に行く»と、そう。

あの日の真相を聞く勇気などまだない。
未だにしっかり顔を見て自分から声をかけてやることも出来ない。

それでも、こんな最低な私の事を”母”と、そう言ってくれる貴女を、また胸を張って自分の娘だと言える日を取り戻したい。










晴来母
……娘を、よろしくお願いします










お願い、もう少しだけ、とてつもなく時間が掛かるかもしれないけれど。
時間を、頂戴。晴来。










それが、10年前の話。





宙内颯李
晴来ちゃんってば……僕にも早く来ないかなー
最後に来たの二ヶ月前のロサンゼルスのワッツタワー前でのピースサインだよ





そう不貞腐れながら「いってきまーす」と投稿して言った颯李はもう高校の最上級生。
あれ以来彼は私を母とは呼ばなくなったけど、未だにこの家に身を置きこうして会話をしてくれているとてつもなく優しい子。
あの子は姉の背を追いかけるように、同じ雄英で日々奮闘しているらしい。





『晴来は……高校卒業したら、どう、するの?』





帰ってこれた家で、同じく寮から足を運んでくれていたあの子に対してそう聞いた、いつの日かのこと。





『私、今まで生きてきた中で日本から出たことってないんだよね』





私から話しかけたことが意外だったのか、ぱちりと一つ瞬きしてから、いつもと変わらぬような調子でそう口を開いた晴来。

それがウチが海外旅行などする家じゃなかったからなのか、はたまた別の意味なのか。

わからないし、まだあまり首を突っ込もうとも思えないけれど










晴来母
……颯李が知ったら、ビックリするかしらね










晴来︰«羽田着陸!これがジャパンの酸素か〜!»










ただ、いつかまた、正面から謝って、ちゃんと向き合えるようになりたい。



『最終更新日︰8月30日』
大ッッッ変、申し訳ありませんでした!!!!!!!
(土下座)_○/|_
「近々上げます(照)」みたいなこと言っといて急に母親というモブ回想で、ギャグが取り柄なのに記憶のない中のシリアスだし、挙げ句の果てには実質年越しってどういうことですか?どこだってばよ原作キャラ!!
生きてはいました本当にごめんなさい反省します_○/|_
まだこの作品を少しでも覚えて頂いている方……は?文脈的に夢主日本にいねーのストーリー展開雑魚かよって思ってくれた方……!もうほんとに……ごめんなさい(五体投地)

現在の活動はこの作品ページの上にある作品で主に週1のペースで無事顔は出していますので、「あ、こいつ死んだんじゃなくてただ更新サボってるだけだな」って思っておいてください。
もうホント誰か作者を一度張り倒して貰ってもいいですか?
上記のように定期更新は新作(8月30日時点の名称)の方になっていますので、こちらの番外編or補足は冬休みなどの作者の長期休みのタイミングとなります。
暇な時にでも適当にポチポチしてください🙏

……年内なのでセーフ!!(極刑)










「要件は『ツラを貸せ』とだけでしたので」
(だからボコられる前に帰っていっすか?)
「始末書は用意しとく。精々明日からが見物だな」
(あとはこっちでやっとくから、明日からはちゃんとするんだぞ!)
「今更言うことなどはない。後は任せる」
(言うべき事なんも考えてなかったーーーー!!!!)



クズでろくでなしな主人公が自業自得で巻き起こす捻れた勘違いストーリー。


ツイステッドワンダーランドの夢小説です。
来年は勘違いが増えますように。



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