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第1話

1話 ジョンイン
1,490
2025/02/08 12:10 更新
🐰








僕は物心ついた頃、
母親という存在はいなかった。

いわゆる父子家庭だった。

ただ、祖父母が同居していて
すんげえ甘やかして育ててくれたので
淋しいとか思ったことはなかった。
それが
小学四年生になったころ

母親と名乗る女が現れた。

父が再婚したのだ。


この女が妙に既視感があった。
母
ミノヤ
お母さんよ
父がやたらデレデレしていたのが記憶にある。


そして小学生になったばかりらしい
男の子がついてきた。

母と名乗る女の連れ子だった。

小1だと言うが幼稚園児にしか見えない。
母
ミノの弟よ
優しくしてあげてね
ジョンインっていうの
ジョンイン
ジョンイン
みの…ひょん…?
小さなジョンインが小首をかしげてつぶやく。


かわいいんだが!

これはかわいい!


うちには猫がいて。

世の中には猫ほど美しく可愛い生き物は

他にはいまいと思っていたが。


匹敵する生物がおったとは!

ジョンイン恐るべし…。


横に長い瞳がうるうるしてて

庇護欲をそそる。

いきなり現れた母親はどうにも
警戒すべき存在だったが、

このジョンインは圧倒的なキュートさで

僕の心のど真ん中を突いてきた。
ミノ
ミノ
ジョンイン、かわいいね…
ジョンイン
ジョンイン
ミノヒョン…
声もかわいい♡

僕が差し出した手の指を握ってきた。

ぷよっとした指先。小さな爪。


何もかも可愛い!
僕は決めた。

僕はこの子の一番になる。


ジョンイニにとって頼りがいのある兄。

ジョンイニの尊敬に値する兄。

ジョンインが離れがたい兄。


そんな男に僕はなる!








ジョンイニがうちに来て1、2年
10歳にも満たない頃、

ふと母が問うた。
母
ジョンイナ〜
大きくなったら何になるの〜
ジョンイン
ジョンイン
ミノヒョンのお嫁たん
母
は?
ミノ
ミノ
僕のお嫁さんになるんだよね
ジョンイン
ジョンイン
うん!
ミノヒョン大好き♡
母
なんで?ジョンイニは
男の子だからお嫁さんには
なれないよ
そもそも兄弟だし
ジョンイン
ジョンイン
…え?
ジョンイニの切れ長の目が
不安そうに揺らいで僕を見る。
ミノ
ミノ
なれるよ
僕らの世代は多様性の時代だから
問題ないよ
兄弟っつっても血縁関係はないんだし。
母
何言ってんのミノ
あんた変なこと吹き込まないの
母が眉根を寄せて僕を諌めてきたが気にしない。

僕はジョンイニに夜ごと唱えていたのだ。









ミノ
ミノ
ジョンイニはかわいいね~
僕のお嫁さんになるんだよ〜
ジョンイン
ジョンイン
僕は男の子だから
ミノヒョンのお嫁たんには
なれないよ…
ミノ
ミノ
全然問題ない
ジョンイニのこと僕は大好きだから
お嫁にもらいたいの♡
ジョンイン
ジョンイン
…そうなの?
ミノ
ミノ
うん
僕が一生ジョンイニを守る!
ジョンイン
ジョンイン
うん
ジョンイニがぴとっと僕に
抱きついてきた。

うう。

この可愛い生き物は僕のもの。

誰にもやらん。





毎日のように僕がジョンイニに
お嫁さんになれ〜と唱えていたら

ジョンイニはまんまと懐いてくれた。








しかしジョンイニが中学生になったあたりで
魔法が解け出した。
ミノ
ミノ
ジョンイナ、かわいいね~
今日はヒョンと一緒に寝ようか
僕のお嫁さんになるんだし〜
ジョンイン
ジョンイン
ミノヒョンくっつきすぎです
そもそも僕はお嫁さんにならん
反抗期でも可愛い。


気にせず
僕がジョンイニを抱きしめていると

ダイニングテーブルで頬杖ついていた母が
しらっとした顔で言う。
母
あんた達仲が良すぎるわ
僕は高校生になっていたし。

弟にじゃれついてる年齢じゃないかもしれない。

でも相変わらずジョンイニは可愛いし。

僕の執着はまったく薄れない



僕らがイチャイチャしていても

母は血の繋がりのない兄弟で
仲違いしてるよりはと

思っているのか。


毎日の光景と慣れてしまったのか、

特に注意されることもなくなった。







アイエンさん、お誕生日おめでとう〜🎂


お誕生日記念作品を

上げたかったんですが

ちょうどいい感じのが書けず。



前に書いたものの先が書けずほったらかしてた

作品を出してみます…。





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