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第1話

♯ Prologue -春は出逢いの季節- .
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2025/12/11 02:00 更新


 side紫



紫雲 祈麻
はぁ…………


 ここは小中高一貫校である

 『 響奏学園 』の保健室。

 俺、紫雲 祈麻はここの養護教諭で、


桜木 蘭音
お疲れさま、はい珈琲。


 机にカタン…と珈琲を置いた、

 ふわふわのウルフカットの彼女は桜木 蘭音

 俺の幼馴染兼恋人で、同じく養護教諭だ。


紫雲 祈麻
お、さんきゅ。

 らんが、俺の隣の椅子に腰掛ける。

 淡い桜色のセーターに白衣を羽織ったその姿は、

 何処か儚くて、美しかった。



 ふと、君が窓の外へと視線をやった。

 そこには、入学式の頃に満開だったが、

 今は少しずつ散っていく、桜があった。

桜木 蘭音
…桜、いいよね。


 俺も桜を見ていることに気付いたらんが、

 桜から視線を逸らさないままぽつりと呟いた。

紫雲 祈麻
…さぁな、俺にはわかんねぇ

 桜は綺麗だけれど、

 らんみたいに特別好きなわけでもないし、

 らんみたいに愛しい物を見るような目で見れない。



 __それに、この学校の桜は、

 〝 あの頃 〟を思い出すから__。


桜木 蘭音
…ははっ、いるまらし-ね、


 らんは此方へ少し視線を移して、

 ふわりと笑った。

 __桜のように儚い笑顔で。


桜木 蘭音
…でもさ、ここの保健室、やっぱいいよね
桜木 蘭音
校門に咲く桜がしっかり見える、(にこっ
紫雲 祈麻
…そうか
桜木 蘭音
なぁんでそんなに興味なさげなの、w
紫雲 祈麻
…俺は別に。
紫雲 祈麻
可愛いらんが見えれば、どこだっていいさ。
桜木 蘭音
ッ…そ-ですか…⸝⸝⸝

 『 ガラガラッ 』

虹星 零瑠
失礼しま-す!


 元気な声が保健室に響き、

 その声の主であろう白髪に

 色とりどりのメッシュが入ったオッドアイの少女と、

 その少女に横抱き…所謂お姫様抱っこをされた、

 茶髪を三つ編みでゆるりと後ろで結んだ

 水色の瞳の少女が保健室へと入ってきた。


桜木 蘭音
はぁ-いどうしたの?
虹星 零瑠
くにおが階段で足捻ってもうたんよね、
橘華 玖邇
ちょ、れるち下ろしてッ⸝⸝⸝


 …何て言うのかまぁ、見せつけられてんなぁ…(遠い目)

桜木 蘭音
じゃあくにちゃんこっち座ってね∼
虹星 零瑠
くにお、降ろすで?
橘華 玖邇
うん、ありがと…
桜木 蘭音
それじゃあテーピングしちゃうね♪


 朗らかに微笑んで対応をするらん。

 さて、それじゃあ俺の仕事は…

紫雲 祈麻
…っと…話、聞いてもいいか?
虹星 零瑠
はぁい!ええで♪

 そう言って、元気に返事をした少女の正面に座った。

紫雲 祈麻
まず名前は…
虹星 零瑠
虹星 零瑠です!
虹星 零瑠
あっちは橘華 玖邇!

紫雲 祈麻
何年生?
虹星 零瑠
高等部二年やで!♪

紫雲 祈麻
何組?
虹星 零瑠
二人ともB組♪

 紙に、生徒の情報を書き込んで行く。

紫雲 祈麻
…なんで怪我したかわかるか?
虹星 零瑠
階段の所でくにおの前を歩いてた子が転んでもうて、
虹星 零瑠
くにおが庇って足捻った。
紫雲 祈麻
そうか…分かった。ありがとな(にこっ
虹星 零瑠
ん-ん、れるはなんもしてへんで♪


 さて、俺の仕事は終わり。

 らんはどうだか…


桜木 蘭音
はい終わり!お疲れ様ぁ∼♪(撫
橘華 玖邇
ありがとうございます…!

 …丁度終わったみたいだな、w

虹星 零瑠
くにお-大丈夫か-?
橘華 玖邇
うん、ありがとね、れるち(にこっ
虹星 零瑠
…べ、別にれるはなにも…⸝⸝
橘華 玖邇
いや保健室まで連れてきてくれたじゃん?
虹星 零瑠
そりゃあ目の前で…すきな…ん"んっ…
虹星 零瑠
親友が怪我しとったら心配するわ!
橘華 玖邇
んは、なんにせよありがと♪
紫雲 祈麻
さて、もうすぐ一時限目始まるぞ?
虹星 零瑠
え、やっば、急がな!
桜木 蘭音
先生には電話しておいてあるから、
焦らずゆっくり行ってね、(にこっ
橘華 玖邇
何から何まで…ありがとうございました!
虹星 零瑠
失礼しましたっ!


 『 ガラガラ… 』

虹星 零瑠
そもそも他の子庇うとかほんまくにおはお人好しよなぁ…
橘華 玖邇
えぇ…他の子が怪我してるのとか見たく無くない?
虹星 零瑠
れるやってくにおが怪我してんのは見とう無いわ!!
橘華 玖邇
それはぁ…ごめん…?


桜木 蘭音
…仲良さそ-な二人だったね♪
紫雲 祈麻
仲良い、っていうだけじゃなさそ-だったけどな(

 多分、れるはきっと…

 なんて、考えるのは野暮なことか。

桜木 蘭音
い-なぁいちゃいちゃしてて(笑
紫雲 祈麻
俺らもいちゃいちゃするか?
桜木 蘭音
いやここ学校だから!!⸝⸝
紫雲 祈麻
んじゃ、帰ってからしよ-な、w
桜木 蘭音
んにゃッ…んん…する、けどぉ…⸝⸝
紫雲 祈麻
んは、かわい-w(撫

 『 コンコン 』

桜木 蘭音
はぁい?


 らんをからかっているとノックの音が響いた。

緑葉 翠智
いちゃいちゃしてるとこ失礼しま-す(苦笑
紫雲 祈麻
…なんだすちか。
緑葉 翠智
なんだってなによ…()

 このスイカ頭の男はすち。

 響奏学園 中等部の主任だ。

桜木 蘭音
ど-かしたの?

 それで俺たちの元同級生でもある。

緑葉 翠智
さっき偶々初等部の横を通ったんだけど…
緑葉 翠智
この子達、クラスに
あんまり馴染めてないって言うか…
緑葉 翠智
体調も悪そうだったからさ?


桜木 蘭音
クラスに、かぁ…


 居心地悪かったりするんかな

紫雲 祈麻
え-と名前は、?
緑葉 翠智
…二人とも言える?

 穏やかな声ですちが問う。

 …こいつ、初等部担当向いてるんじゃね?()

雨乃 恋鮫
…雨乃、恋…鮫…です。
黄瀬 魅琴
黄、瀬…魅琴、です…


 …これは訳ありそうだな…

桜木 蘭音
二人は…いつも一緒にいるの?
緑葉 翠智
見たときに一緒にいたから…〝二人みたいに〟、さ?
二人
………
桜木 蘭音
………そっ…かぁ


 らんはすちの言葉に少し、俯いて。

 桜色の瞳に、影を落としながら、

 こさめと、みことを優しく撫でた。

雨乃 恋鮫
…、こさめ、しんゆーだよ、みこちゃの
紫雲 祈麻
…親友、か…
桜木 蘭音
幼稚園が同じだったの?
黄瀬 魅琴
ん-ん、はじめてあったの、一年生のころだよ。
雨乃 恋鮫
こさ、たち…にてるもん…(抱締


 こさめがそっとみことの腕に抱き着く。

紫雲 祈麻
今は何年生?
黄瀬 魅琴
…よねんせ-。
桜木 蘭音
…すち。
桜木 蘭音
この子達はここで見るから、任せて。
緑葉 翠智
…分かった。それじゃあ…ね。


 『 ガラガラ… 』


紫雲 祈麻
…、よし、ベッド座ってていいぞ
桜木 蘭音
座ったら、先生たちとお話しよっか?(にこっ
雨乃 恋鮫
…おは、なし…
黄瀬 魅琴
…嫌やなぁ…














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