第84話

File 83 :
4,762
2025/05/24 10:00 更新
数日後 、私は集中治療室から特別病室に移動した 。

そして病室を移動したその日 、コナン君と共に
シェリーちゃんが顔を出しに来てくれた 。

彼女は私の顔を見た瞬間 、目に涙を浮かべ 、
小さな体で私をぎゅっと抱きしめた 。

灰原 哀
もう …っ 、 会えないかと思ったんだから … !!
あなた
私はそんな簡単に死なないわ 。

私の胸に顔を埋める可愛い彼女の頭を撫でる 。





先日 、コナン君からシェリーちゃんの事を聞いた 。


彼女は組織の裏切り者で 、彼等の事が怖くて怖くて
堪らないはずなのに 。


私のためなら組織にだって立ち向かうと 、

私を絶対に救ってみせると 、心を決めてくれていた
らしい 。



恐怖から逃げなかったシェリーちゃんは ……
本当に凄い 。

あなた
… ありがとう 、シェリーちゃん 。

________________________


その日から数週間後 、遂に私は裁判にかけられた 。

傍聴者は居らず 、内密に執り行われた裁判 。


結果 、私は『 懲役10年 執行猶予15年 』という
判決が下された 。


刑務所に行く必要はなく 、一般の人と同じ普通の
生活を送ることが出来る 。

執行猶予期間である15年の間犯罪を起こさなければ 、
懲役10年の刑罰は消滅する 。



間接的には殺しに関わったものの 、自らの手で
人を殺めていなかった事が 、この結果に大きく反映
されたらしい 。

私が本物の善人なのであれば 、
今まで組織に居ざるを得ない状況で 、仕方なく
犯罪に関わっていたのなら 、
この先 、他の犯罪を起こすことは無いだろうと 。

降谷 零
不満なのか ?

運転している彼が隣で聞いてきた 。

今 、私達は裁判所からある場所へと彼の愛車で
向かっている 。
あなた
… ううん 、別に 。

不満を感じているなど 、そんな事はない 。
ただ 、少し複雑なのだ 。


極悪組織に所属していた私が 、殺人を犯して
いなかったとはいえ 、こんな軽罪で済まされて
良いのかと 。

運命から逃げない 、と覚悟を決めていたから 。
本当にこれから自由に生活して良いのか 。

正直 、拍子抜けしたのだ 。

降谷 零
自由に暮らす 、これが君への罰 。
そう思えば良い 。
あなた
… 私って 、幸せ者 。
降谷 零
そんな君とこれから一緒に過ごせる
僕の方が幸せ者さ 。
あなた
よく軽々とそんな事を言えるわね 。
降谷 零
本当の事を言ったまでだ 。

そんな言い合いをしている内に 、目的地に着いた 。


建物の入口には 『 東都刑務所 』と書かれている 。

そう 、私は今から " 仲間 " に会いに行く 。






" 仲間 " といっても 、私に本物の愛情を沢山
注いでくれた





大好きな大好きな " 家族 " のような人物に 。

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