私とバーボンは 、先に面会室で " 彼女 " が入って
くるのを待っていた 。
暫くして 、全身緑色の服を着た彼女が刑務官に
連れられて 、部屋に入ってきた 。
彼女は私達の目の前に座ると 、直ぐに私の顔を見て
口許を緩ませた 。
そんな彼女の表情を見て 、自然と視界が涙で滲む 。
皮肉を言う彼に 、冷淡な返事をするベルモット 。
でもその返事はただ単に冷たい 、って訳では無く
彼女なりの優しさが滲んだ言葉 。
彼女の表情が冷静を装っているように見えて 、
少し柔らかいから 。声色が優しいから 。
バーボンとベルモットの今までの関係性が
垣間見える瞬間だった 。
ベルモットは彼に向けていた視線をまた私に移し 、
話を続ける 。
28年間 、ずっと私を愛してくれた彼女に 、
母親のような温かい優しさで傍にいてくれた彼女に
感謝の気持ちを伝えたかった 。
そう伝えると彼女は綺麗な瞳を大きく見開かせた 。
小さく息を吐き 、頭を抑えるベルモット 。
その溜息は呆れて吐いたのでは無いと分かっている 。
私は硝子越しの彼女と向き合うように座っていた
椅子から立ち上がり 、彼女を真っ直ぐと見つめた 。
そして 、深く深く感謝の意を込めて頭を下げた 。
顔を上げると大好きな彼女は優しく微笑んでいた __
「 Right back at you. I love you ... 」













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。